高萩市70年 「音」で回想 たかはぎFMと茨城大ゼミ 番組制作、歌や市民の声 茨城
茨城県高萩市のコミュニティー放送局「たかはぎFM」と茨城大の村上ゼミは、同市の市制施行70周年を記念した特別番組を共同制作した。同市ゆかりの歌や記録された音声、市民へのインタビューを通して「音」で70年の歩みを振り返る。放送は今月中-下旬を予定しており、同局は「高萩の70年を彩る音を通して、街の歴史を知ってもらいたい」としている。
共同制作はフリーアナウンサーで、同局のパーソナリティーを務める石森れいこさんの発案で実現。「父の故郷を盛り上げたい」「外部とコラボして新たな目線で高萩の魅力を伝えたい」と、以前から親交のあった茨城大の村上信夫特任教授(メディア社会学)に制作を依頼した。
制作に当たり、村上教授、同ゼミ3年の小山慧菜(えな)さん(20)と柿岡美結さん(21)が2月から4月にかけて、同市を訪問。市立図書館や高萩炭鉱資料館などを回り、当時の音声を集めた。また、当時を知る市民にインタビューしたほか、市民へのアンケート、さくら宇宙公園などを訪れ、音の録音を実施した。
取材後、放送作家でもある村上教授が中心になって構成を練り、台本を制作。小山さんがパーソナリティー兼演出、柿岡さんがプロデューサー兼演出を務め、6月に収録した。
番組名は「昭和・平成・令和 高萩70年の『おと』歩み」。同市の基幹企業だった日本加工製紙の破産や閉鎖されたレジャー施設・ビーチガーデンなどを知る市民へのインタビューが流れるほか、市民に親しまれた高萩駅前に設置された時計塔から流れる鐘の音などの実音も放送され、同市を彩ってきた歴史が音でよみがえる。
同局によると、現在番組を編集中で、放送予定は今月中-下旬を見込む。また、再放送も予定している。
小山さんは「高萩市民でも知らない、驚く歴史がつまっている。(当時の)記憶を呼び起こし、若い人には発見がある」と感想。柿岡さんは「市民ではない自分が聴いても面白い。高萩市について知るきっかけになる」と番組をアピールした。