7年伸ばした髪寄付 那珂の桐原優奈さん(10) 「病気の子もおしゃれを」 茨城
頭髪に悩みを持つ子どもたちへの医療用ウィッグ(かつら)に必要な髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」に役立ててもらおうと、茨城県那珂市の市立木崎小4年、桐原優奈さん(10)が約7年間伸ばした髪をカットした。桐原さんは「病気の子にもおしゃれをしてほしい」と笑顔で話した。
桐原さんが髪を伸ばし始めたのは3歳ごろ。ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」を見たのがきっかけ。傷を癒やす魔法の力がある長い髪を持つヒロインのラプンツェルに憧れた。
髪が長くなってきた頃、母親の奈津子さん(40)がヘアドネーションをしてみないかと提案した。
ヘアドネーションは、小児がんや先天性の脱毛症、事故などで毛髪を失った子どもたちのため、寄付された髪の毛でウィッグを作り提供する活動。ウィッグの製作には原則31センチ以上の長さが必要とされている。
ヘアカットは奈津子さんが普段通う同県水戸市赤塚の美容室「Kokage hair」に依頼した。
桐原さんはこの7年間、自宅で前髪のみカットしていただけ。初めての美容室に緊張した面持ちだった。
膝下に届くほどだった毛先は胸元の長さで整えられ、カットした髪の束は約60センチになった。髪はメッセージとともに子ども用ウイッグの無償提供に取り組むNPO法人「JHD&C」(大阪)に送った。
桐原さんは「頭が軽くなった」と短くなった髪形も気に入った様子で、「また(髪を)伸ばしていきたい」と2度目の寄付にも意欲を示した。