介護老健施設で結核集団感染 入所者や職員11人 茨城
茨城県は6日、土浦保健所管内の介護老人保健施設で、結核の集団感染があったと発表した。入所者の80代女性が3月に肺結核と診断され、その後、20~90代の入所者や職員の男女計10人にも感染が確認された。女性を含む5人が入院したが、重症者はなくいずれも退院。他人に感染させる恐れのある人もいないという。県内の集団感染発生は2019年以来5年ぶり。
県疾病対策課によると、最初に発病した80代女性は2月下旬にせきが悪化して救急搬送され、3月1日に肺結核と判明。同保健所が接触者の健康診断を実施したところ、発病者4人のほか、感染したが発病していない「潜在性結核感染症患者」6人が確認された。
発病者4人のうち1人も結核菌を排出していため、入所者や職員など計89人が健康診断を受けた。
県内の結核患者数は近年200人台で推移。昨年は239人で死者49人(速報値)だった。
同課は、発病や重症化のリスクが高い高齢者が入所する施設について、入所者や職員にせきや発熱などの症状が2週間以上続く場合、受診を呼びかけている。