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キャッチアップ期限迫る 子宮頸がんワクチン 茨城県医師会「理解し接種を」 県、周知に注力

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町


子宮頸(けい)がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの「キャッチアップ接種」の期限が迫っている。国の積極的勧奨中止で接種機会を逃した女性に対する救済措置で、16~27歳の人は来年3月まで全3回の接種を無料で行えるが、期間内に完了するには今月中に1回目を打つ必要がある。茨城県は対象者への周知に注力し、県医師会も「利点や副反応など理解した上で、ぜひ接種を」と話している。

HPVワクチンの公費による定期接種は、小学6年~高校1年相当を対象に2013年度に始まった。当初、痛みやしびれを訴えるケースが相次ぎ、厚生労働省が同年6月に積極的勧奨を中止。その後、安全性に特段の懸念がないとし、22年度に勧奨を再開した。

これに伴い同年度、キャッチアップ接種を開始。1997年4月2日~2008年4月1日生まれの女性のうち接種機会を逃した人が対象で、自費で4万~10万円程度かかるとされる全3回の接種が無料。期限は来年3月末となっている。

接種は一定の間隔が必要で、9月30日までに1回目を打たないと、来年3月末までに3回目を終えられない。期限を過ぎた場合は自己負担が発生する。県疾病対策課によると、茨城県では22、23年度の2年間で、キャッチアップ接種を活用し1万1257人が3回目接種を終えた。

一方で、厚労省が今年3月ごろ実施した調査では、該当年代の女性やその保護者計4800人のうち、43.6%がキャッチアップ接種について「知らない」と回答。同課は「茨城県でも多くの人が救済措置を知らないまま期限を過ぎる可能性がある」とし、学生へのチラシ配布や交流サイト(SNS)などによる発信で啓発に取り組んでいる。

HPVワクチンは種類によって効果が異なり、厚労省によると、子宮頸がんの原因の8~9割を防ぐものもある。

リスクについては「まれに重度のアレルギー反応や神経系の症状が起こることがある」とし、県は接種後の体調不良者の相談窓口を設置している。

産婦人科医で、県医師会の長田佳世常任理事は「HPVワクチンの有効性は国内外で証明されている」と接種の重要性を指摘。松崎信夫会長は、がん予防などの利点や副反応、相談窓口などフォロー体制がある状況を理解した上で「キャッチアップ接種をしてほしい」と述べた。



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