日専校に顔認証決済店舗 常陽銀と日立 金融・DX教育 茨城
常陽銀行(茨城県水戸市)と日立製作所(東京都)が、同県日立市西成沢町の日立工業専修学校(日専校)で、金融やデジタルトランスフォーメーション(DX)を学んでもらう取り組みを始めた。同校内に菓子の無人店舗を設置し、顔認証による決済体験を促すほか、店舗モニターで金融情報を提供する。10日に無人店舗が報道陣に公開された。
地域社会でお金やDXに関する知識や判断力を向上させるのが狙い。生徒は決済を通じて金融についての知識を深められるほか、店舗の運営方法を学び、DXの学習・体験の場にする。
無人店舗の名称は「CO-URIBA(コウリバ)」。今月初めに日立が設置した。購入者は店舗入り口の機械で自分の顔を認証し、欲しい菓子を選んで手に取る。生体認証やセンサー機能など同社の技術を使い、自動で購入者や商品を識別し、手ぶらで買い物ができるシステムにした。
金融情報は常陽銀が提供する。クレジットカードの知識や支払い方法の違い、カード返済ができない時の対処法などを、モニターにクイズ形式で表示する。利用額の引き落としは、代金が銀行口座から引き落とされる同行のVisaデビットカードを使う。同行は生徒の授業も担当する。
店舗運営は日立の支援で生徒が主体的に行う。届いた商品を登録し、棚への商品の配置決めなどに取り組む。生徒は交流により、社会とのコミュニケーションやビジネススキルを身に付ける機会を得る。
無人店舗の運営を担当する同校の丸山夏槻さん(18)は「新しい技術は楽しい。社会人になった後も配属先でこのような仕事に関わってみたい」と語った。常陽銀と日立は今後、県内の他の教育機関にも取り組みを広げていく予定。