候補地「駅東」白紙に 石岡市複合文化施設 市議会 反対決議案を可決 茨城
茨城県石岡市が2030年度の供用開始を目指し計画を進めてきた複合文化施設の「駅東地区」建設案が事実上白紙になった。市議会は定例会最終日の12日、本会議を開き、JR石岡駅東側の候補地への建設計画に反対する決議案を、賛成14、反対6の賛成多数で可決した。決議により建設候補地は、現時点で同市若宮の「いしおかイベント広場」だけになる。同案は山本進議員(無所属)が同日提出した。
財源として見込む合併特例債、都市構造再編集中支援事業の活用期限が残り少なくなる中、市は建設計画の早急な変更を迫られる。
決議案では、候補地が正式決定されておらず建設場所の選定理由が不明▽建設の安全性の担保と災害発生時の対応について説明が不十分▽執行部の事務の進め方に疑問があり議会・委員会を軽視している-などとし、事業推進を容認できないとしている。11日の複合文化施設建設特別委でも、駅東地区での建設は賛成少数だった。
同施設の計画は2022年9月、同特別委が関連する補正予算案を否決し、仕切り直しとなった。市は23年7月に改めて基本構想をまとめ、若手職員のプロジェクトチームを設置。市内高校生のワークショップ、シンポジウムなどを開き、認知度アップや市民の意見を取り入れながら、人の往来が多い駅東地区を最有力候補地として建設準備を進めていた。
4月の市長選で同施設の実現を掲げ、当選後も駅東地区への建設を訴えてきた谷島洋司市長は「市民が待ち望んでいる施設なので残念」とコメントした。
新たに有力候補地となった「いしおかイベント広場」は敷地面積が約2万7500平方メートル。JR石岡駅から徒歩約15分で、現在は祭りやスポーツイベントの会場、駐車場などに活用されている。