ゴジラロケ地巡り始まる 水陸バス、霞ケ浦遊覧 茨城
米アカデミー賞視覚効果賞を受賞した映画「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」の世界観を楽しむロケ地ツアーが14日始まった。鹿島海軍航空隊跡(茨城県美浦村大山)周辺で、水陸両用バスでの霞ケ浦遊覧と独自ストーリーに沿った映像による劇中体験ができる。関係者は「観光誘客とともに茨城とロケ地の魅力を国内外に発信したい」と意気込む。
県観光物産協会の主催で、10月開幕の茨城アフターデスティネーションキャンペーン(DC)の体験企画の一つ。12月22日までの土日祝日(一部金曜日)に、1日2回実施する。主にインバウンド(訪日客)を対象とした。
跡地には戦争当時の姿を残す建物が多く残る。終戦直後の日本が舞台の作品では、県内3カ所のロケ地の一つとして活用された。ただ、駅を利用する観光客にとって不便な交通アクセスが課題だった。
そこでツアーでは、跡地とJR土浦駅を結び、「ゴジラをおびき寄せる作戦」のための霞ケ浦遊覧として水陸両用バスを導入。移動手段の確保とコンテンツの一石二鳥に仕上げた。バスは湖に浮くとゴジラが水面から顔を出すように見えるデザインを施した。
跡地にある軽油庫では、作品の世界観を基にした6分間の独自ストーリーを上映。立体的に映し出す技術により、作戦本部の現場や戦闘機「震電」の操縦を体験した感覚が楽しめる。
このほか、作中に使われた震電のコックピット模型や小道具、歴代ゴジラのポスターなどを展示した。
協会の鈴木友子DMO推進課長は「目標はツアー参加2千人。ファンがロケ地を巡る〝聖地巡礼〟と一層のロケ誘致につながる効果を期待したい」と話す。
ツアーは駅の送迎や言語ガイド、特典付きが2万円、霞ケ浦遊覧と震電の体験のみが5000円。問い合わせは県観光物産協会(電)029(226)3800。