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茨城県産新米 やや割高 資材高騰、市場反映 JA概算金1.4倍に

新米が並び始めた農産物直売所=常陸太田市下河合町の「道の駅ひたちおおた」
新米が並び始めた農産物直売所=常陸太田市下河合町の「道の駅ひたちおおた」


茨城県内で2024年産米の流通が始まり、直売所やスーパーに新米が出回り始めた。夏場に続いたコメの品薄感は解消されつつあるものの、今年は農協を通してコメを出荷した農家に支払われる「概算金」が主力のコシヒカリで前年比約1.4倍に上昇。販売価格も23年産に比べ割高となっている。

概算金を決めたJA全農いばらき(同県茨城町)によると、23年産米の流通量減少に伴う販売環境の変化、燃油代や肥料など資材高騰による農家の負担増が反映された。担当者は「過去10年さかのぼっても例がない」と語る。ただ、概算金引き上げは販売価格の上昇にもつながるため「消費者が受け入れてくれるか」と気をもむ。

農家がコメや野菜を直接持ち込む直売所でもやや高値の状態は続いている。今月に入って新米が棚に並ぶ「道の駅ひたちおおた」(同県常陸太田市)では1キロ当たり150~200円上昇し、5キロで約3500円前後。農産物直売所によると、新米が出始めの頃は行列ができた日もあり、現在も早い時間帯で品切れになるという。

同市でコシヒカリを栽培する福地善巳さん(72)は「今年は暑さ対策も行い、昨年より質がいい」と語った。販売価格は市場に合わせ、23年産より3~4割引き上げたという。

平年に比べ割高となった本年産の新米。直売所を訪れた同県水戸市の50代女性は「新米を心待ちにしていた」と笑みを浮かべ、「少し高い気もするが、物価が上がっているので値上げも仕方がない」と棚に並んだコメ袋を手に取った。

JA全農いばらきによると、県内では現在、コシヒカリの収穫が本格化しており、流通量が増える見通しという。農産物直売所の前島厚子店長も「今後は量が増えるので、大きな混乱にはならない」と話した。

農林水産省が8月末に発表した24年産コメの作柄概況によると、茨城県は田植え期以降、おおむね天候に恵まれたとして、平年比102~105%相当を示す「やや良」となっている。



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