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自転車ヘルメット着用21% 伸び悩む 茨城県内 高校生「髪形崩れる」

ヘルメットを着用して通学する高校生=水戸市桜川(画像の一部を加工しています)
ヘルメットを着用して通学する高校生=水戸市桜川(画像の一部を加工しています)


茨城県内で自転車ヘルメット着用が伸び悩んでいる。昨年4月施行の改正道交法で努力義務となったが、県警の調査では着用率が21.7%と前年同期比で横ばい。県警や自治体は啓発漫画公開やヘルメット購入費補助などに取り組むが、着用率向上の鍵を握るとみられる高校生からは「髪形が崩れる」「荷物になる」などの声が上がっている。

調査は7月1~19日の平日、全国の警察で実施。朝の通学時間帯に駐輪場のある駅周辺と、夕方の買い物客が多い時間帯に商業施設などで着用状況を調べた。

茨城県の着用率は前年同期比0.4ポイント増。伸び率は全国平均(3.5ポイント増)に及ばず、全国順位は9番目から11番目に後退した。着用率の全国平均は17.0%だった。

県警は、自転車通学の高校生が着用率向上の鍵を握るとみて公私立高校長などを通して着用を呼びかけてきた。しかし、県央地域の公立高関係者は「髪形の崩れを気にする生徒は多い。重要性は伝えているが、公立高では法律を超えて強制できない」と語る。県内私立中高の一部は自転車通学者のヘルメット着用を義務化している。

同県水戸市内の高校3年、男子生徒は「部活を引退した今は髪形が崩れるし、蒸し暑いのでかぶっていない」と話した。別の生徒も「電車で荷物になる」「高校生の小遣いには高い」などと語った。

ヘルメット購入費を一部補助する同県古河市では、8月末現在の申請件数が229件。このうち8割以上が65歳以上と小学生以下で占められ、高校生の申請は22件にとどまった。市は10月、高校生を対象に自転車ヘルメットを題材にした川柳を募集し、着用率向上につなげたい考えだ。

県警はヘルメットの正しい着用法などを伝える漫画を交流サイト(SNS)で発信。つくば署では地元高校などと協力してファッションショーも実施した。

県警などは「いざという時に命を守ってくれる」として、21日から始まる「秋の全国交通安全運動」でも重点項目としてヘルメット着用を呼びかける方針。県警交通総務課は「自分や大切な人のためにも身に着けてほしい」と呼びかける。

警察庁のまとめによると、2019~23年に自転車乗車中に亡くなった1898人のうち、半数超の1023人が主に頭部を負傷。同期間に頭部に負傷を負った人の致死率を比較すると、ヘルメット非着用者は着用者の約1.5倍に上った。



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