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農地計画338地区策定へ 茨城県内、集積率向上に期待

畑地の将来の担い手について意見を交わす農業者たち=東海村東海の村役場
畑地の将来の担い手について意見を交わす農業者たち=東海村東海の村役場


農業経営基盤強化促進法の改正を受け、全国で10年後の農地利用の設計図となる「地域計画」の策定が義務付けられた。茨城県内でも本年度中に、44市町村で計338地区の地域計画が策定される見込みだ。農業者の減少や耕作放棄地の増加が課題となる中、県は農地の集積率を高め、「農業の持続的な発展につなげたい」と期待を込める。

地域計画は市町村が主体となり、関係機関や農業者らと協議して策定する。地域の農地を「誰が」「どのように」集約していくか、将来の農地利用の姿を明確にするのが狙いだ。

期限となる来年3月末に向けて現在、関係者らによる協議や担い手情報を盛り込んだ「目標地図」の素案作成などが全国的に行われている。県内でも44市町村で計338地区の地域計画が策定される見込み。

同県東海村は昨年度から座談会を開いて協議を続けてきた。田と畑のエリアごとに意見を出し合い、本年度は4地区で実施。8月20日に畑地の利用を話し合う座談会が開かれた。

「世代交代もある。耕作者同士の農地の貸し借りは難しい」。「農作業しやすい環境整備も必要」。農業者や東海村農業委員会のメンバーら約30人が畑地の10年後の担い手や、農地集積の課題などを話し合った。

村によると、480ヘクタールある畑地は地権者との関係性などで、長く土地を賃借して耕作を続けられるかなど課題があるという。村農業政策課は「高齢化などで担い手が減少する中で、(地域計画策定を)地域の農業を盛り上げる指針としたい」としている。

同県大子町でも8月21日、同町の佐原コミュニティセンターに地区の農業者や大子町農業委員のメンバーなど約30人が集まった。農地集積後の草刈りの担い手や、特産品の維持などについて意見交換した。

町内の販売農家数は2000年に1501軒あったが、20年は734軒と半減。町農林課の担当者は「大規模農家がいなくなり、農地が集約できない地域もある」と危機感を募らせる。それでも、計画策定により「将来、どこの農地が空くかなどの見える化につながる」と語る。

県のまとめでは20年の総農家数は7万1761戸。15年に比べ約18%減少している。このうち、販売農家は4万3920戸で同様に約23%減った。

市町村を支援する県農業経営課によると、8月末までに策定に向け41市町村が協議を行った。同課は「計画策定はスタート地点。実行することで茨城県農業の持続的な発展につなげたい」としている。



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