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大相撲秋場所 大の里V 町民歓喜 阿見でPV、総立ち拍手

大の里が2度目の優勝を決めた瞬間、大きな歓声を上げて喜ぶPV参加者たち=阿見町本郷
大の里が2度目の優勝を決めた瞬間、大きな歓声を上げて喜ぶPV参加者たち=阿見町本郷


大相撲秋場所14日目の21日、二所ノ関部屋所属の大の里が千秋楽を待たずに2度目の優勝を決めた。部屋のある茨城県阿見町で実施されたパブリックビューイング(PV)では、町民らが「おめでとう」「すごい」と大喜び。大の里と交流のある関係者からは、大関昇進を確実にした若武者の強さに賛辞の声が上がった。

同町本郷の本郷ふれあいセンターに設けられたPV会場ではこの日、大の里の優勝を待ち望む地元のファンら約90人が参加した。会場内には「がんばれ!大の里」の横断幕も掲げられ、参加者は「必勝」と書かれた扇子や「めざせ!優勝」と書かれた紙、バルーンスティックなどを持って観戦した。

優勝を懸けた大一番では、大関豊昇龍を力強く押し出して完勝。会場の大型スクリーンで取り組みを見守っていた町民らは、優勝の瞬間に総立ちとなり「よっしゃー」「勝った!」と大きな歓声を上げ、歓喜に沸いた。

会場で観戦した千葉繁町長と子どもたちは、くす玉を割って優勝を祝福。千葉町長は「今場所は苦手な相手を倒して優勝したことに大きな価値がある。まずは大関をものにして、優勝を重ねて大横綱になってもらいたい」とさらなる飛躍に期待を寄せた。

相撲の稽古終了後に駆け付けたという中学1年、遠藤悠吾さん(12)は「さすが大の里だと思う。前に出続ける相撲がとてもかっこよかった」と目を輝かせた。

大の里のサイン入りうちわを握りしめながら観戦した同町の戸田さつきさん(45)は、町が立ち上げた「二所ノ関部屋協力隊」の一員で、大の里を入門当時から応援してきた。「今場所は以前の強さから、さらに一皮むけて覚醒したような強さを感じた」と語った。大関昇進も有力となり、「二所ノ関親方の弟子だからこそスピード出世できたのではないか。町のみんなも元気をもらえるし、明るくなるはず」と喜んだ。

■親交ある東洋大牛久高・山本監督 「完璧な内容」絶賛

二所ノ関部屋と親交がある東洋大牛久高相撲部の山本紳童監督(36)は「完璧な内容だった」と優勝を決めた一番を絶賛した。同校相撲部は年に数回、部屋に出稽古に訪れる間柄。身近な力士の優勝を「うれしい。生徒たちの刺激につながる」と声を弾ませた。

今場所の大の里については「稽古を見学した時、二所ノ関親方が『攻めろ』と指導していたが、その相撲を体現していた」と高く評価した。

新潟県の海洋高時代から注目されていた大の里とは以前から顔見知りで、2019年茨城国体や全日本選手権などで顔を合わせるたびに「どこの部屋に入るか聞いていた」と振り返る。

部屋には同部出身の力士も在籍。出稽古では部員が大の里の胸を借りることもあるといい、「かわいがってくれて本当にありがたい」と感謝しきりだ。

これまでの驚異的な活躍については「アマチュアで結果を出しても、すぐに上で通用する世界ではない。正直、ここまで結果を残せるとは思わなかった」と驚いた様子。「大の里の活躍が地域の相撲界の起爆剤になってくれれば」と期待を寄せた。



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