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大の里 大関最速昇進 初土俵9場所 大相撲 25日理事会で決定

大の里
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大相撲秋場所千秋楽は22日、東京都墨田区の両国国技館で行い、二所ノ関部屋(茨城県阿見町)所属の西関脇大の里(24)=本名中村泰輝、石川県出身=の最速での大関昇進が確実となった。番付編成を担う日本相撲協会審判部が、昇進を諮る25日の臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、受諾された。これまで理事会で昇進が見送られた例はない。

幕下10枚目格付け出しの初土俵から所要9場所での昇進は、昭和以降で最速だった羽黒山、ともに幕下付け出しの豊山と雅山(現二子山親方、茨城県水戸市出身)の12場所を更新した。

新入幕から所要5場所は、年6場所制となった1958年以降、大鵬の6場所を上回る最速記録。大関昇進前の3場所で2度の優勝を果たしたのは、昭和以降で1934年1月の春場所後の男女ノ川(同県つくば市出身)しかいない。

今場所で大の里は攻撃的な取り口が光り、192センチ、182キロの体格と馬力を生かした鋭い出足で圧倒した。初日から11連勝と賜杯レースをけん引。14日目に2場所ぶり2度目の優勝を決め、千秋楽に東関脇阿炎に敗れ13勝2敗。直近3場所合計34勝で、昇進目安とされる33勝を上回った。

大の里は今場所、ともに3度目となる敢闘賞と技能賞も受賞。新入幕から5場所連続の三賞獲得は、1947年秋場所の三賞制定以降で初めて。

茨城県ゆかりの大関誕生は2017年名古屋場所の高安=同県土浦市出身=以来、7年ぶりとなる。

■「優勝の星は13だ」 親方の言葉胸に集中

自己最多の13勝で優勝し、大関昇進を確実にした。「勝って締めたかった」と悔しさを口にしながらも、こだわっていた勝ち星を達成し、充実した表情を見せた。

春場所は、千秋楽まで優勝争いに加わりながら11勝4敗で一歩及ばなかった。「優勝の星は13だ」。二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)にかけられた言葉が心に刻まれた。

初優勝を飾った夏場所は12勝3敗だった。優勝を喜ぶ一方で、親方が示した13勝には届かず、「3敗した悔しさが残る」と反省を口にした。

今場所では14日目に目標としていた13勝を挙げ、優勝を決めた。直後の支度部屋では「ここで終わるのも、白星を伸ばすのも自分次第」と気を引き締めた。千秋楽で白星を逃し、「もっと高いところで優勝争いをしなければ」と、自らに言い聞かせるように語った。

今場所は「一日一番集中」と雑念を封じ、着実に結果を出してきた。愚直に相撲に取り組み、理想とするのは「日本中から応援される力士」と語る。驚異的な速さで番付けを駆け上がってきた大器の戦いはこれからが本番だ。

■さらなる活躍期待 大井川・茨城県知事

大の里の幕内優勝を受け、大井川和彦知事は「2度目の優勝を飾られたことは、多くの県民に大きな誇りと喜びをもたらしてくれる。今後ますますの活躍を強く期待している」と談話を発表した。

■大の里(おおのさと)

本名中村泰輝(なかむら・だいき)。西関脇。2000年6月7日生まれ。石川県津幡町出身、二所ノ関部屋(茨城県阿見町)。新潟・海洋高から日体大に進み1年で学生横綱、3、4年で2度のアマチュア横綱に輝く。23年3月に入門。同年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵、秋場所新十両。24年初場所新入幕。新小結の夏場所で初優勝。名古屋場所新関脇。優勝2回。殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞3回。得意は突き、押し、右四つ、寄り。192センチ、182キロ。戦歴90勝29敗(9場所)。




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