JR高萩駅前にぎわい創出 市、再整備基本構想策定へ ワークショップ 幅広く市民の声 茨城
茨城県高萩市は本年度、街の中心と位置付けるJR高萩駅周辺地区の再整備基本構想を策定する。老朽化した跨線橋(こせんきょう)やロータリーの改修を行い、利便性の向上を図るとともに、にぎわいを生む多目的な拠点の整備を目指す。整備の方向性を探るため、市は幅広い市民を招いたワークショップを実施し、意見を反映させていく考えだ。
再整備の対象地区は、商店街や公共施設が集積する高萩駅西口が中心。同地区内に二つある跨線橋は1963年と64年の完成で、老朽化。公共交通の減便によりバス停が過剰になっている一方で、通学送迎が増えて乗降場所が不足するとの課題が浮き彫りになってきた。
加えて、大型スーパーの撤退を皮切りに、駅前の空洞化も目立っており、遊ぶ場所や交流の場を求める市民の声も多い。こうした状況で、市は「街の中核」と同地区を重要視し、時代やニーズに即した拠点施設にするため、再整備構想の策定を決めた。
市はこれまで、駅周辺の地権者や関係機関との協議を始めたほか、市民を招いた「まちづくり勉強会」も実施。昨年度は参加者が駅前の課題を洗い出した上、整備に必要な要素や施策を発表していった。
本年度は新たな視点からの意見も取り入れようと、駅前商店街関係者や高校生のほか、PTA役員や市民団体の代表など幅広い市民を招き、「再整備検討ワークショップ」を設置した。
同ワークショップの本年度初会合は8月にあり、市民23人が参加。参加者からは人が集まる場所の少なさを指摘する声が多く上がり、駅直結のホテルやアパート、図書館、カフェ、複合施設などを求める意見などが寄せられた。
市企画財政課によると、同ワークショップは年度内にあと2回実施し、ハード面を中心に議論を深め、提言書をまとめる。最終回で大部勝規市長に提出する予定だ。7~8年後の整備完了を目標に計画を進めるという。
大部市長は「駅は市の顔であり、(再整備は)今後の街の活性化につながる事業。構想を策定して、全体像を示していきたい」と話した。