来春開校の日立「松風中」 校名変更求め署名活動へ 住民団体、直接請求目指す 茨城
茨城県日立市の市立坂本中と久慈中を統合して来春開校する「松風中学校」を巡り、校名を定めた条例の廃止を目指す住民グループが26日までに、発足した。住民側は校名の選定過程に問題があったとして、地方自治法に基づき、市に直接請求するための署名活動を10月にも始める予定という。
グループは住民有志でつくる「松風中学校名の削除を求める会」。代表は鴨志田征央さん(56)と三代喜良さん(67)の2人が務める。
両代表は「選定過程が不透明で、民意も反映されていない」と主張。市民への公募で校名ごとの集計結果が公表されていない点などを疑問視し、学校側が現在の校名とは異なる名称で応募するよう生徒や保護者に働きかけたとして「募集の公正性にも欠ける」と訴えている。
松風中は、少子化に伴い坂本中と久慈中を統合し、現在の久慈中の校舎を使って来年4月に開校する。教員や両校区の代表者らでつくる統合準備委員会が「松風」と選定し、3月の市議会で新校名を定めた条例案が可決された。
条例改廃の直接請求は、有権者の50分の1の署名を1カ月以内に集めれば首長に請求でき、首長は住民から提出された条例案に意見をつけた上で議会に提案しなければならない。
市選管によると、同市の選挙人名簿登録者数は14万4494人(9月2日現在)。署名の必要数は約2900人に当たり、住民側は「少なくとも3000筆以上集めたい」としている。