児童、ヤギと歩道除草 茨城県企画 阿見で美化意識育む
茨城県の新企画「ヤギさん除草隊」の初めての活動が26日、同県阿見町岡崎の町立阿見一小近くの国道125号沿いで行われた。同校の6年生53人が草を食べるヤギやヒツジと触れ合いながら、除草に取り組んだ。環境美化の意識や将来のボランティアを育むのが狙いだ。今後も県内各地の県管理道路で、子どもたちとヤギなどが一緒に〝出動〟する。
この日は国道125号沿いの歩道700メートル区間で除草活動を実施。業者が刈った雑草を児童がビニール袋に集める傍らで、ヤギやヒツジ計8匹が黙々と頬張った。雑草を手で食べさせたり、背中や頭をなでたりするなど、児童が動物に親しむ姿も見られた。
ヤギやヒツジはダチョウ王国石岡ファーム(同県石岡市)から参加し、スタッフも同行した。県や町の職員のほか、千葉繁町長も駆け付け隊の活動を見守った。
除草の人件費上昇や燃料費高騰を背景に、県はヤギの高い除草能力を生かせないか、県外の導入例などを踏まえ検討。ヤギの管理費などを考慮し、現時点では道路の維持管理費抑制の効果は薄いと判断、啓発活動での活用に乗り出した。
同校の宮崎淳司校長(59)は、学校で大きな動物を飼わなくなってきている中、貴重な体験になったとし、「情操教育やボランティア精神を養うきっかけになる」と話した。
6年の吉田詢平さん(12)は「ヤギがかわいくて楽しく活動できた。普段からごみを拾うなど(美化への)意識を持ちたい」と笑顔を見せた。