高校生が観光動画制作 高萩・北茨城・いわき 誘客期待、3市公開へ
地域活性化や観光誘客につなげようと、常磐3市(茨城県高萩市・同北茨城市・福島県いわき市)の高校生が、地域の魅力を発信するプロモーション動画を制作した。21~23日の3日間、映像制作会社員の助言を受けながら、企画から編集までの作業に取り組み、若者目線のPR動画を制作。各市はユーチューブなどで公開する予定で、広域での観光・交流人口の増加を目指す。
動画制作はテレビCMを中心に手がける映像制作会社「AOI Pro.」(東京)の教育プロジェクト「地域の魅力を映像にしよう!撮り旅」の一環で、常磐3市で構成される「広域観光行政連絡協議会」と連携し、共催した。3市の高校生計11人が参加し、各市ごとにグループを編成。1~2人の同社員が同行し、作業に取り組んだ。
初日の21日は、各班ごとに撮影場所やコンセプトなどを議論。高校生自らが施設などに電話をかけ、撮影交渉を行った。翌日は映像のプロからズームや引きの効果、カメラの角度などのこつを教わりながら、各地を回り、撮影していった。
最終日の23日は、北茨城市磯原町の北茨城市民ふれあいセンターで編集作業。プロも使用するソフトを使って、撮影した映像を3分前後の作品に仕上げた。
その後、上映会を開き、各班が発表。北茨城市チームは若者に人気のTikTok(ティックトック)やユーチューブショートを参考に拡散されやすい縦型の動画を唯一採用した。同市の名物「あんこう鍋」の自販機や大津漁港で水揚げされた海産物を提供する飲食店、六角堂といった観光名所を盛り込んだ。
高萩市チームは古き良き店と自然をコンセプトに、引きとアップをうまく使い躍動感のある映像に仕上げた。鮮やかな木々に囲まれた花貫渓谷の汐見滝吊り橋のほか、同市の特産品である食用ホオズキ、レトロな雰囲気が人気の喫茶店などを映像に落とし込んだ。
いわき市チームは20代の女性が旅行に来たという視点で、市内のお土産屋や温泉などを紹介した。
映像制作に興味があるという第一学院高萩高2年、今野湊さん(17)は「地域貢献もでき、プロから制作を教われた」と笑顔。茨城県立磯原郷英高2年、酒井礼菜さん(16)と河口彩莉夏さん(17)は「北茨城の魅力を伝えられるのはうれしい。いろいろな人に来てもらえたら」と声をそろえた。