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地元楽団、中学生を指導 高萩市、地域移行へ試行 茨城

コンサートに向け、練習に取り組む高萩市内の中学生と市民吹奏楽団=同市有明町
コンサートに向け、練習に取り組む高萩市内の中学生と市民吹奏楽団=同市有明町


中学部活動の地域移行に向け、茨城県高萩市教育委員会は、吹奏楽に関して休日練習の一部を高萩市民吹奏楽団に託す試行事業に取り組んでいる。経験豊富な同団員が市内3中学校の吹奏楽部員に専門的な指導を行うほか、団体や学校の枠を超えた約100人の「アンサンブル」も編成。生徒からは「技術の向上が図れ、大人数でのダイナミックな演奏も体感できる」と好評を博している。

市教委は2026年度の完全移行に向け、指導者を確保しようと、同楽団に協力を要請。同楽団が「地域、後輩のために」とこれに応じ、試行事業が実現した。市教委によると、24年度の自己負担は1000円で、練習は不定期。現在、56人の生徒が参加登録しているという。

練習場所は「学校開放」として市が一般に貸し出している市立東小。同楽団は練習拠点として同校を利用しており、重い打楽器を同校に置いている。そのため、同楽団と連携することで、指導者と場所の確保、楽器の運搬という吹奏楽特有の課題を解消した。

6月の初練習会では、パートごとに分かれて、楽団員が基礎指導。生徒たちは音の出し方やリズムの取り方、楽器の持ち方や手入れ方法などを教わった。松岡中1年、篠原彩寧さん(13)は「(指導を受け)ピッチが良くなった。なかなか先輩から教わる機会が少ないので、成長につながる」と話す。

また、音楽の楽しさを体感してもらおうと、同楽団と3校で「はぎッズ・ウィンド・アンサンブル」を編成。12月の市民音楽祭に出演する予定という。9月はコンサートに向け、演奏曲を重点的に練習。9パートに分かれ、音やリズムを確認後、合奏を行った。「随分、良くなりましたね」「楽しんでやりましょう」。同楽団員が曲の合間、生徒たちに声をかけ、和やかな雰囲気で練習が進んだ。

高萩中2年、武藤雅仁さん(14)は「(普段とは違う)大人数での演奏は楽しかった。コンサートが楽しみ」と笑顔。同楽団の大高達也団長は「地域移行に向け試行錯誤する中、後輩のため、受け皿になれるか考えた。一緒に演奏することで、音楽を楽しんでもらい、続けたいと思ってもらえれば」と話した。

市教委は26年度のスムーズな移行に向け、生徒や保護者の声を聞きながら練習頻度や在り方、費用など検討していく。



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