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風化防止訴えデモ行進 臨界事故 30日で25年 東海で市民団体 茨城

臨界事故の風化防止や原発の再稼働反対を訴えてデモ行進する参加者=東海村石神内宿
臨界事故の風化防止や原発の再稼働反対を訴えてデモ行進する参加者=東海村石神内宿
黙とうをささげ、JCO臨界事故の犠牲者を追悼する集会の参加者=東海村舟石川駅東
黙とうをささげ、JCO臨界事故の犠牲者を追悼する集会の参加者=東海村舟石川駅東


茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故から30日で25年を迎えるのに合わせ、同村内で29日、事故を教訓とし、原子力問題を考える集会やデモ行進が行われた。

同村石上内宿の石神コミュニティーセンターで開かれた集会で、参加者は事故の風化防止や原発再稼働の反対を確認した後、JR東海駅までデモ行進した。

集会は原水爆禁止日本国民会議や茨城平和擁護県民会議など六つの市民団体が主催。各団体の関係者や村内外の住民約200人が参加した。

「臨界事故を語り継ぐ会」の大泉実成さん(62)=同県日立市=は、事故でJCOの作業員2人が死亡し、自身の両親も被ばくした後に健康被害に苦しんだことに触れ、「原子力事故の深刻さや被害者救済の難しさを知ってほしい」と訴えた。

臨界事故と2011年の東京電力福島第1原発事故で多くの被ばく者が出たことから、これ以上の被ばくへの恐怖をなくすため、日本原子力発電東海第2原発をはじめとする原発の再稼働阻止を目指すなどとした「集会アピール」が読み上げられた。

集会後、参加者は「原発はいらない」と書かれた横断幕を掲げ、「臨界事故を忘れないぞ」などとシュプレヒコール、東海駅までの2.3キロを行進した。

臨界事故は1999年9月30日に発生。作業員2人が死亡し、周辺住民ら666人が被ばくした。 

■犠牲の2人追悼

同村舟石川駅東3丁目の村産業・情報プラザで開かれた集会では、脱原発と再生可能エネルギー推進により事故を繰り返さないとするアピールが採択された。

集会は茨城労連などでつくる実行委員会(委員長・田村武夫茨城大名誉教授)が主催。臨界事故翌年の2000年からコロナ禍を除いて毎年、同村で開いている。

臨界事故の犠牲となった作業員2人に対し、参加者82人が黙とうをささげて追悼した。田村委員長は「政府は脱炭素を理由に原発依存の方向性を打ち出したが、日本は再生エネルギーで十分な電力が賄えるとの研究報告がされている」として、原発ゼロを訴えた。

その後、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の吉原毅会長が講演。「原発推進は原子力に関わる人々の地位や財産を守りたい気持ちが原因」と述べ、コストも高いとした上で、代替電源として農地を利用した太陽光発電「ソーラーシェアリング」の可能性を指摘した。

集会には前東海村長の村上達也氏も駆け付けた。県内27市町村の首長もメッセージを寄せた。



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