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上向きライトなら「半減」 夜間の対人死亡事故分析 茨城県警 10年間 早め点灯呼びかけ

事故回避可能性割合
事故回避可能性割合
夜間に前照灯をつけて走行する車=水戸市内
夜間に前照灯をつけて走行する車=水戸市内


茨城県内で過去10年間の夜間に発生した人対車両の死亡事故は上向きライトを活用していれば約半数が回避できた可能性があった、とする分析結果を県警がまとめた。これに加え、日没時間が急速に早まる9月から12月までは例年、歩行中の死傷者数が増加していく傾向にあり、県警は上向きライトの活用と早めのライト点灯を呼びかけている。

県警交通総務課によると、昨年までの10年間で、夜間にバイクやオートバイ、乗用車など車両が第1当事者となった対人事故は3423件。このうち3254件(95%)の前照灯が下向きライトだった。消灯と補助灯を合わせた「その他」は158件(5%)で、上向きライトは11件(0.3%)しかなかった。

同課は、仮に上向きライトを活用していた場合、下向きライトで発生した事故のうち1101件(34%)が回避可能だったと推定。死亡事故に限るとさらに割合は高まり、289件中150件(52%)が回避可能とした。重傷事故は892件中372件(42%)、軽傷事故は2073件中579件(28%)だった。同課は「早めに認知ができれば次の回避行動も早くできる」としている。

前照灯の照射距離は道路運送車両の保安基準で定められており、下向きライトは40メートル先、上向きライトは100メートル先までを照らす。県警は上向きライトで走行して歩行者の早期発見に努め、先行車や対向車がいる時は下向きライトに切り替えるよう訴えている。

さらに、9月以降に歩行者が巻き込まれる死亡重傷事故は急増する傾向がある。過去10年間のまとめでは8月が500人、9月が551人、10月が782人、11月が813人、12月が1017人。9~12月の死者159人を事故の時間帯別でみると、午後4~7時で81人(51%)を占めた。県警は9、10月が前の月に比べて日没時間が40分以上早まり、日没後は急速に暗くなることが要因とみている。

日没前1時間以内の事故車両のうち前照灯が点灯していた割合は、昨年が過去10年間で最高となる27.8%だった。県警はさらに意識を浸透させる必要があるとし、交通安全運動などを通じて運転者に周知している。



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