衆院選 茨城県内選管、準備大慌て 同日選やマラソン対応も
自民党の石破茂総裁が衆院選の日程を10月15日公示、27日投開票と表明したのを受け、茨城県内選挙管理委員会では月末に迫る投開票日に向け、急ピッチで準備を始めた。市長選やイベントと重なる自治体では、当日に向けた職員配置や準備作業に大慌ての状態だ。
つくば市は任期満了に伴う市長選と市議選が27日投開票で予定される。市選管の担当者は「市長選と市議選だけでも手いっぱいなのに、まさかトリプル選になるとは」と困り果てた表情。
市長選には今のところ、現職の五十嵐立青氏(46)と元県議の星田弘司氏(50)の2人が出馬を準備。一方、定数28の市議選には40人を超える立候補者が予想される。立候補に必要な書類をチェックする事前審査もあり、市選管の業務は多忙を極める。
担当者は「市長選と市議選で実施する期日前投票所の場所は既に確保しているが、そこに衆院選の期日前投票が入ってくるとそもそも日程が合わない」と、対応に苦慮。1日にも選管委員長を交えて今後の方針を協議する予定で、職員の増員も市側に要請した。
水戸市は投開票の27日と同日に市内広域を1万人超が走る「水戸黄門漫遊マラソン」を予定する。
市選管によると、マラソンは約300人、投票所には400~500人ほどの職員配置を想定。日程が重なったことで「マラソンと選挙の両方に当たる予定だった人は、代わりを探さないといけなくなった」。投票用紙の発送作業や選挙に必要な道具の点検、予算の確保など、あらゆる作業に余裕のない状況という。
市長選と市議補選の投開票を11月17日に控える守谷市は、衆院選の日程が決まったことで市政と国政の「ダブル選」が避けられ、市選管は「ミスなく選挙が執行できるよう準備を進めたい」と話す。
日立市では投票率の向上につなげようと、期日前投票所を駅前商業施設に設置したり、車両を活用した移動期日前投票所を市内の高校・大学に巡回させたりしてきた。市は「準備期間は短いが、今回もこれまで通りの形で実施できるようにしたい」とし、設置場所や日程の調整を急ぐ。
県選管は2021年の前回衆院選の日程を基に、県内市町村選管や候補者向けの説明会開催に向け、準備を進める。立候補者ポスター掲示板の設置カ所数を各市町村に照会し、人員配置の検討も始めた。担当者は「前回と同様、今回も非常にタイトなスケジュールだ」と、急ピッチで対応を進めている。