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オーストリッチ事業加速 吉野家HD 茨城・石岡で飼育、研究 基礎化粧品拡充 美容、健康で効果期待

ポップアップストアのイメージ画像(吉野家HD提供)
ポップアップストアのイメージ画像(吉野家HD提供)
オーストリッチオイルの効果を研究する様子(スピーディア提供)
オーストリッチオイルの効果を研究する様子(スピーディア提供)
「グラマラスブースターオイル」(左)と「グラマラスエイジングクリーム」(スピーディア提供)
「グラマラスブースターオイル」(左)と「グラマラスエイジングクリーム」(スピーディア提供)


吉野家ホールディングス(HD、東京、河村泰貴社長)は、美容と健康面で優れた機能をもつ「オーストリッチ(ダチョウ)」に関する事業を本格化させる。茨城県石岡市内の牧場でダチョウの飼育や研究を行う子会社スピーディア(東京、平田俊昭社長)が中心を担う。食用肉だけでなく、ダチョウの脂から採れるオイルを使った基礎化粧品を開発し、販路拡大に取り組む。

スピーディアは吉野家HDの完全子会社で、2017年に設立。同市瓦谷の牧場で国内最大規模の約500羽のダチョウを飼育する。食用肉販売のほか、19年にオーストリッチオイルを使った基礎化粧品の開発に着手した。

主力商品は「グラマラスブースターオイル」と「グラマラスエイジングクリーム」。オイルは化粧水や美容液の導入に使う。蒸散を抑え、肌の水分量が増えるほか、コラーゲンなどの美容成分の浸透を促進する効果がある。最新の研究では、シミや美白に効果が期待される「ナイアシンアミド」に対し、23倍の浸透効果を発揮することも分かった。

オーストリッチオイルは、融点が人間の体温と近く、肌なじみが良い。べたつきがなく、さらっとした感触も特徴的。オイルやクリームのほか、美容パックもそろえ、今後も商品を拡充する方針だ。

スピーディアは、これまで化粧品を自社オンラインショップで販売していた。より多くの人に効果を実感してもらおうと、8月末から「日本調剤オンラインストア」と「ヨドバシドットコム」でも販売を始めた。このほか、都内の複数箇所で期間限定ポップアップストアも開いている。

事業本格化に際し、世界的な食糧不足を見据える。吉野家は牛肉などに次ぐ第4の肉として「オーストリッチ丼」を発売。ダチョウは成長が早く、約1年で1羽当たり100キロの生体に育つという。飼料が少なくて済み、環境負荷も低い。一方で、全国的に見ても飼育羽数が少なく、規模が小さい。化粧品の販売を強化して資金調達し、さらに規模拡大と安定供給を目指す。

吉野家HDの担当者は「性別や年齢を問わず使える商品。多くの方に(効果を)実感してもらいたい」とした。同社は今後も食や美容にとどまらず、羽や骨、皮の研究も進め、オーストリッチの定着を目指す。



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