物価高 思い切実 茨城県内、地方創生も望む 石破内閣発足
古い自民から脱却し、政治不信を払拭できるか。1日にスタートを切った石破内閣。50代以上が並び女性は2人という布陣に、茨城県内の有権者からは「多様な視点が取り入れられない」と落胆の声が上がる。派閥裏金問題や物価高、地方創生と、山積する課題に国民の期待と不安が入り交じる。党内基盤の弱さもあり多難が指摘される一方、月内の衆院選に向け「選挙の顔」としての実力が問われる。
同県水戸市役所に出生届を提出した会社員、戸崎海志さん(31)は「子どもたちが将来の夢を大きく持てる日本にしてほしい」と話す。「まずは経済対策。日本ファーストな政策を」と注文した。
県民からは物価高対策を求める声が相次いだ。同市で飲食店を経営する岩間里佳さん(31)は、首相が変わっても「今までとあまり変わらなそう」と冷ややか。「物価が高くなって大変。経済対策をしっかり行い、増税しないでほしい」と話す。
同県北茨城市で菓子店を経営する神永綾子さん(47)も「全ての材料が値上がりしている」と実情を訴える。子育ての経験から保育の充実などの必要性を感じ、「親も安心して働ける体制づくりを。そうすれば、安心して子どもを生めると思う」と話した。
少子高齢化による人口減少が続く中、地方創生に期待する声も聞かれた。
同県美浦村の主婦、岡野正枝さん(67)は「美浦村を含め、地方は人口減少が甚だしい。若い人が進学や就職で都会に出ると戻ってこない」とため息をつく。「東京への一極集中を改善し、地方が元気になるような政策に期待したい」と語った。
フリーランスで働く北茨城市、鈴木耕太さん(29)は「地方格差を是正する必要がある。バラマキではなく、本質的な部分で是正すべきだ」と強調。「将来の世代に胸を張れる社会をつくってほしい」と望んだ。
同県鹿嶋市の会社員、堺田孝志さん(68)は「子育てをする若い人たちの所得を伸ばしてほしい」。石破首相が地方創生に重点を置く姿勢に触れ、「地方が元気になるような政策を求める」と語った。
物価高が続く中、税金や年金など生活に直結する課題解決を願う声は切実だ。
第2子が生まれたばかりという水戸市の会社員、中村尚隆さん(30)は「住宅ローンがあるので、金利が上がると生活が苦しくなる」とし、給料が上がる一方で「昔に比べて手元に残るお金が少なくなった。物価高対策に加え、増税を抑えてほしい」と話した。
同県東海村の会社員、青柳直人さん(25)は、金融所得の課税強化に「その分社会保険料を減らすとか、全体のバランスを取ってほしい」と要望する。
同県古河市の無職、大柳ちゑ子さん(70)は「これだけ値上がりしているのに年金の額は変わらない。安全保障や外交も大事だが、国民の命に関わる課題をまずどうにかしてほしい」と訴えた。