石破内閣発足 与党「挙党態勢」強調 野党は早期解散批判 茨城県選出国会議員
石破内閣が発足した1日、茨城県選出国会議員の自民党議員からは「党が一丸となる」「地元も歓迎している」と期待の声が上がった。一方、野党側からは首相就任前に衆院解散・総選挙の方針を表明したことへの批判が聞かれた。
自民党の葉梨康弘氏(衆院茨城3区)は「石破内閣の下で、自民党皆が一丸となって政治への信頼を取り戻す」と挙党態勢の必要性を強調。「国内外の国難ともいえる諸問題に立ち向かっていく」と話した。
総裁選で石破氏の推薦人を務めた田所嘉徳氏(衆院比例北関東)は「先週末に地元で『石破さんが新総裁になって良かった』と歓迎された。石破氏は茨城県で人気があり、強い期待を感じた」と述べた。
同党の上月良祐氏(参院茨城)は内閣の顔触れについて「各分野でしっかり仕事をされてきた方々だ」と評価。新政権には「大都市だけでなく地方を活性化させてほしい。結果を出し、分断や格差のない社会をつくって」と求めた。
立憲民主党県連代表代行の小沼巧氏(同)は「(9月30日に)総理になる前に衆院選の日程を表明したのは、議会制民主主義への暴挙。能登の被災地に対し、政治の責任も示していない」と訴えた。
衆院会派「有志の会」の福島伸享氏(茨城1区)は、石破氏が衆院解散前に一定の国会論戦が必要とした主張を一転させたと主張。「すでに実権を失っている。実質の総理大臣がまた別にいるのは、まさに古い自民党そのものだ」と批判した。
■茨城県内各党 与党、選挙で期待 野党「議論不足の解散」
衆院選の投開票が27日に迫る中、茨城県内の与党からは、石破新首相の高い地方人気に「選挙が戦いやすくなる」との期待が広がる。一方、野党からは「解散には議論が不足している」など厳しい声が相次いだ。
自民党県連の海野透会長は「逆風が少し弱まってくれれば」と期待を寄せる。石破首相は選挙応援などを中心に何度も茨城県入りしていることもあり、「地方に寄り添う姿勢を示していただけている。迫る衆院選も戦いやすくなる」と準備を急ぐ構え。
自民党と連立政権を組む公明党の高崎進県本部代表は、衆院選に向け「常在戦場で進めてきた準備を加速させる」と強調。「あらゆる方法で内部を固め、県内有権者への支持を広げる」と、党勢拡大に全力で取り組む意気込みを示した。
立憲民主党県連の青山大人代表は「コロコロ変わる顔触れの内閣に申し上げることはない。大臣は軽い職ではない」と指摘。選挙準備を粛々と進めるとしながら、「能登の災害対策の補正予算を議論してから解散すべき」と注文した。
茨城維新の会の石井章代表は「早期解散を見据えて準備してきた。北関東比例区で5議席、県内で1~2議席の確保が目標」と意欲を示す。県内全小選挙区では、すでに候補者を選出した1~4区に集中する考えを明らかにした。
国民民主党県連の浅野哲代表は新内閣について「旧態依然とした政権運営が懸念される」と指摘する。選挙の早期設定は国民目線ではないと批判する一方、「県連が一丸となり、県民の暮らしに寄り添った政策を訴えていく」と意気込みを示した。
共産党県委員会の上野高志委員長は比例で県内12万票以上の得票を目標に掲げ、「新首相は自民党政治の行き詰まりの打開策を何一つ示すことができない」と対決姿勢を鮮明にした。
参政党県連の小山顕会長は「衆院選では積極財政を望む人々の受け皿として支持を拡大していきたい」と語った。
社民党県連の井坂章代表は「教育や医療福祉への予算拡充など、国民の暮らし最優先の政治へ転換を目指す」と述べた。