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「人生の最期」考える 水戸でゲーム体験サロン 医療や介護、家族との生活 茨城

人生の最期の時をどう迎えるか、についてゲームで考える参加者たち=水戸市泉町
人生の最期の時をどう迎えるか、についてゲームで考える参加者たち=水戸市泉町


もし余命半年と告げられたら、残された時間を、どこで、誰と、どう過ごしますか-。いつか迎える最期の時に望む医療や介護、家族との過ごし方などをゲームを通じて考える「もしバナ(もしものための話し合い)ゲーム体験サロン」が9月29日、茨城県水戸市泉町の市民会館で開かれた。同県内から11人が参加し、普段はなかなか話せない、人生の最期の時について話し合った。

公益財団法人「日本尊厳死協会」関東甲信越支部(東京都文京区)が主催した。ゲームは米国発祥で、日本語版を、亀田総合病院(千葉県鴨川市)で緩和ケアや在宅医療に携わる蔵本浩一医師らが制作した。

ゲームで使用するカードは全36枚。「痛みがない」や「家族の負担にならない」「人生の最期を一人で過ごさない」「祈る」「機器につながれていない」「主治医を信頼する」「ユーモアを持ち続ける」などといった最期の時に思いを巡らせる「死生観」が書かれている。

余命半年の設定で、参加者は順番に手元と山札にあるカードを入れ替えながら進める。手元には5枚しか残せず、山札のカードを拾うには、手元にある価値観を捨てなければならない。場に欲しいカードがある限り交換を続けられるが、相手の手札にあって手に入らないカードもある。

家で過ごすために、病院でなければ受けられない医療を諦める。たとえ言葉が発せなくなっても、成長した孫の姿を見られるだけいい-。ゲームでは、そんなさまざまな「もしも」の時を考え、時間やお金、身体の自由に制限がある中で、自分の望む最期の姿を整理していく。

参加者たちはゲームの終わりに、手元に残した価値観からさらに3枚に絞って、その理由を話し合った。同会副支部長の田村幸代さん(63)は、「望む最期の時を考えることは、自分らしく生き抜くための助けになる。ほかの人と話し合うことで新たな気付きも得られる」と説明した。

参加した60代の女性は、本格的に介護の始まった母親のことを考え、ゲームに臨んだという。「避けてきた話だった。帰ったら、母にとって望ましい最期になるよう話し合いたい」と感想を述べた。



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