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茨城県内ロケ 経済効果100億円 累計額 誘致強化で拡大

映画「ゴジラ-1.0」のロケ地となった筑波海軍航空隊記念館=笠間市旭町
映画「ゴジラ-1.0」のロケ地となった筑波海軍航空隊記念館=笠間市旭町


映画やドラマの撮影を自治体が支援する茨城県内のフィルムコミッション(FC)事業で、ロケ支援に伴う経済波及効果が2002年以降の累計で100億円を突破した。県は多様な撮影環境と首都圏に近い優位性を生かし、「制作側の期待に応える支援を続けて評価を得た結果」と強調。経済効果の高い大型作品の誘致に力を注ぐ。

県観光誘客課によると、23年度の経済波及効果推計額は4億5000万円。前年度比45%の減少だが、新型コロナウイルス禍前の19年以前とほぼ同水準だった。大型作品や長期ロケが減ったのが要因で、コロナ禍明けの制限緩和の反動もあるとみられる。

撮影スタッフらが宿泊や飲食、撮影機材のレンタル、物品調達など直接消費した推計の金額は3億3000万円だった。

茨城県の知名度向上を目的に、県は02年10月に「FC推進室」を設置。映画「HAZAN」からロケ支援を始め、市町村と連携で21年間に支援した累計作品数は9130件に上る。経済波及効果は04年度以降、コロナ禍前の19年度まで毎年度4~6億円台を安定的に維持。累計額は23年度に100億2000万円に達した。

茨城県は広大な土地、山や海などの自然、歴史的施設、近代都市などの撮影地をそろえる。「こうした優位性を背景に作品のイメージに沿ったロケ地を提案しながら、充実した支援態勢を丁寧に説明してきた」と同課の担当者は話す。

今後は特に茨城県PRと経済の両面で効果の高い大型作品の誘致を拡大させる。人気の撮影場所を紹介する「いばらきロケ地マップ」を関係者向けに配布するなどし、茨城県のロケ地を引き続きアピールする。

作品や俳優のファンが撮影場所などを訪れる「ロケツーリズム」も推進する。市町村や観光事業者を支援し、県内外の観光誘客を促しながら茨城県の魅力をPR。ロケ誘致につなげる好循環を目指す。

23年度のロケ支援作品数は3%減の600作品、撮影延べ日数は14%減の1311日だった。県内の40市町村が撮影地となり、最多は水戸市の97件。次いでつくば市88件、笠間市77件。ロケ隊の宿泊日数は35%減の187日だった。

主な支援作品は映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」やドラマ「光る君へ」など。映画「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」など8作品が23年の興行収入で10億円以上を達成した。



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