カンボジアで保護の12人逮捕へ 詐欺容疑、ニセ電話詐欺関与か 茨城県警など合同捜査本部
カンボジアで8月、虚偽の求人情報にだまされ同国に渡航し、強制労働に従事させられた日本人12人が現地警察に保護された事件があり、茨城県警などの合同捜査本部が、ニセ電話詐欺事件に関与した可能性が高まったとして、保護された12人を週明けにも詐欺の疑いで逮捕する方針を固めたことが4日、分かった。捜査本部は現地に捜査員を派遣しており、日本の領空内に入った後、航空機内で逮捕する。
逮捕容疑は8月、富山県内在住の40代女性に対し、警察官などを装ってうその電話をかけ、犯罪に関与したかどうかを調べる名目で現金数十万~数百万円をだまし取った疑いが持たれている。
12人のうち数人が在プノンペンの日本大使館に救助を要請。大使館から通報を受けたカンボジア警察は8月下旬、南東部スバイリエン州バベットのカジノ施設を捜索して12人を保護していた。
捜査関係者によると、12人は交流サイト(SNS)で「高収入で簡単な仕事」などとうたった虚偽の求人情報に応募したものの、実際にはカンボジアで強制的にニセ電話詐欺に加担させられた可能性があるとみられる。捜査本部は、保護された日本人がニセ電話の「かけ子」役だったとみている。
県内では今年に入ってから、警察官をかたるニセ電話詐欺事件の被害が相次いでいた。同様の被害は全国で発生しており、捜査本部は慎重に調べを進める。