日仏作家の歩み紹介 企画展「フォーヴ・ショック」 茨城・笠間日動美術館
20世紀最初の絵画運動「フォービスム(野獣派)」に焦点を当て、日仏の画家の歩みを紹介する企画展「フォーヴ・ショック フランスそして日本へ」が、茨城県笠間市の笠間日動美術館で開かれている。運動を主導した画家、アンリ・マティス(1869~1954年)をはじめ、日本の里見勝蔵や佐伯祐三らによる作品約60点が展示されている。同館は「日仏の作家の交流が見どころ。50年にわたる作風の変遷を楽しんでほしい」と話している。
フォービスムは、1905年にフランスで起こった革新的な絵画運動。マティスらが原色を強調した鮮烈な色彩、奔放(ほんぽう)な筆致の作品が発表され話題を呼んだ。運動自体は07年ごろに終息したが、各画家らがその後、それぞれに色調や技法を変え作風を展開していく起点となった。
会場には、フォービスムの始まりから、第2次世界大戦後までの約50年にわたる作品を展示し、各画家の軌跡を紹介する。マティスやデュフィ、ヴラマンクなど代表的な作家による力強い絵画が楽しめる。
また、ヴラマンクに指導を受けて大きく画風を転換した里見や佐伯をはじめ、フォービスムの影響を受けた日本人画家の作品が並ぶ。日仏作家の交流エピソードを紹介し、画家らが自身の画風を確立していく様子をたどる。
会期は12月15日まで。11月2日には、茨城大の藤原貞朗教授による講演会「フォーヴィスムの変容 フランスから日本へ」が同館で開かれる。