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「生きた芸術届ける」 片山新館長が抱負 茨城・水戸芸術館

水戸芸術館の館長就任を前に抱負を語る片山杜秀さん=26日午後、水戸市五軒町
水戸芸術館の館長就任を前に抱負を語る片山杜秀さん=26日午後、水戸市五軒町


水戸芸術館(茨城県水戸市五軒町)の新館長に11月1日付で就任する音楽評論家で慶応大法学部教授(政治思想史)の片山杜秀さん(61)=同県龍ケ崎市在住=が26日、同館で会見した。片山さんは、初代館長で音楽評論家の吉田秀和さん、前館長で指揮者の小澤征爾さんの実績に敬意を示し、「(館を構成する)音楽、演劇、美術の三つの柱を生かし、発見に満ちた、今の時代の生きた芸術を届けたい」と抱負を語った。

片山さんは1963年、仙台市生まれ。同大大学院時代の80年代後半から、クラシック音楽の評論を執筆。2008年には著書「音盤考現学」「音盤博物誌」が第18回吉田秀和賞に輝き、12年からは同賞の審査委員を務めている。2月に死去した前館長の小澤さんの後を継ぐ形となった。

会見では、同館からの就任要請に「吉田さんと小澤さんの後を受けるには自分は非力過ぎる」と戸惑ったことを明かし、「ただ音楽評論を通じた吉田さんとのつながりを最大限に生かせばできるのでは」と承諾に至った理由を説明した。

運営方針では、吉田さんの「視野を世界に広げる」の理念と、小澤さんの「芸術を身近なものに」の考えを踏襲することを強調。周辺の文化施設や史跡との有機的な連携を掲げ、「街づくりや誘客にも寄与したい」と意欲を語った。

同館の運営に当たる水戸市芸術振興財団理事長の福田三千男さんと水戸市の高橋靖市長も出席。あいさつの中で、新館長の舵取りに期待を寄せた。



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