《衆院選2024》茨城6区 青山大人氏 駅立ち18年初勝利
立民前職の青山大人氏が自民前職の国光文乃氏とのデッドヒートを制し、3回目の当選を初の小選挙区勝利で飾った。
青山氏は前回、前々回と比例復活当選。県議初当選の時から18年間続ける駅頭や街頭のつじ立ちをはじめ、地域の行事に小まめに参加して市民の声に耳を傾けてきた。これまでに築いてきた100を超える地区後援会を軸に、地元密着をアピールして陣営の結束を図った。
選挙戦では防衛費を増大させる自公政権を批判し、自民の裏金問題も「脱税」と指摘。「政治を変えよう」と政権交代を訴えた。大票田のつくば市では教育・子育て支援対策や食料自給率の向上、物価高騰対策などを主張。選挙区内を1日10カ所以上回って草の根の活動を展開。国会議員や首長、市議らの応援に加え、連合茨城の支援も得て幅広い支持を取り込んだ。
【略歴】党副幹事長。党県連代表、党県第6区総支部長。当選3回元県議、党青年局長。慶応大経済学部卒。土浦市荒川沖東
■青山氏「支援の勝利」 国光氏及ばず
立民前職の青山大人氏(45)は27日午後9時ごろ、当選確実の一報が入った。土浦市下高津の選挙事務所で固唾(かたず)をのんで見守っていた首長や県議らは「おおーっ」と歓声を上げ、喜びを爆発させた。青山氏は「本当にたくさんの支援があったおかげ。これは皆さまの勝利」と謝意を示し、涙ぐみながら支持者と抱き合った。
土浦市出身の青山氏はこれまでの当選はいずれも比例代表での復活だった。選挙戦は前回の一騎打ちから三つどもえとなったが、「前回よりも支援者は増えている」(陣営幹部)と手応えを感じ、大票田のつくば市に重点的に選挙カーを走らせた。
小選挙区での当選に向け、草の根の選挙活動を展開。同市と土浦市を中心に1日10カ所以上、駅やスーパーなどでマイクを握った。演説では自民党派閥による裏金事件を批判し、子育て支援の拡充や物価高騰対策などを訴えてきた。
選挙序盤には立民の小川淳也幹事長が応援に駆け付け、「社会を正しく変革する主力の1人。国会に送り返してほしい」と後押し。24日には野田佳彦代表も急きょ選挙区に入り、「(青山氏は)党のリーダーになり、日本のリーダーになる」と太鼓判を押した。
念願の小選挙区での勝利をつかみ取った青山氏。選挙事務所では支持者らと次々と握手を交わし、「この日を夢見てきた。地元のため、日本のために日々精進していく」と力を込めた。
青山氏は「各地で支援の輪が広がっていくのを感じた。誠実に真剣に政治活動を続け、今の政治を変えていく」と意気込んだ。
自民前職の国光文乃氏(45)は、比例復活で3選を決めた。28日午前1時ごろ、つくば市吉瀬の選挙事務所に駆け付けると「信じられない。夢の中にいるよう。皆さんが粘ってくれたおかげ」と感謝の言葉を繰り返した。
選挙区での敗戦については「政治が変わらなければならないというメッセージ。政治改革からやっていきたい」と力を込めた。