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《連載:茨城県守谷市の課題 市長選を前に》(下)人口減少時代

新興住宅地の松並青葉地区=守谷市松並青葉
新興住宅地の松並青葉地区=守谷市松並青葉


■住宅開発、成熟の時期 「1世代のまち」懸念

守谷駅から約1キロの新興住宅地「松並青葉」。松並木が地区の中心を通り、新しい分譲住宅やマンション、アパートが立つ。

朝の出勤時間帯、徒歩や自転車でつくばエクスプレス(TX)守谷駅に向かい、東京方面へ通勤する住民が見られる。2005年に開業したTX沿線開発地域の一つで、茨城県守谷市の人口増を引っ張る。

松並土地区画整理事業「ビスタシティ守谷」は13年度に入居が始まり、現在の人口は約5千人に上った。子育て世帯を中心に定住し、高齢化率はわずか約4%(9月現在)、市平均24%(同)を大きく下回る。

松並青葉地区では今、11月実施の地区最大のイベント「松並フェスティバル」の準備に追われている。4町内会・自治会が企画し、自治会館を会場に飲食ブースやゲームコーナーなどを出す。

「長く住み続けられるまちづくり」を目指し、フェスティバルは14年に土地区画整理組合の協力で始まった。15年からは2町内会の運営に移行し、その後も自治会と町内会が加わり、今年で11回目を迎える。

主催者で松並青葉西町内会の前会長、風岡範昭さん(56)は「新しい地区なので一体感を持たせたい。その一つが松並フェスティバル」とし、フェスティバルの意義を語る。

松並青葉の計画人口は約5000人で、現状でほぼ達し、住宅分譲も落ち着いた。

約40年前、守谷では松並青葉のような大規模住宅開発が相次ぎ、首都圏のベッドタウンとして発展した。かつての新興住宅地では高齢化が見られ始め、「1世代でまちが終わってしまう」などと市民から懸念の声が出ている。

今年5月から7月にかけて市はタウンミーティングを開いた。市長と市民が意見交換し、その場では過去約20年間の人口推移の資料が配られた。常住人口は約5万1000人(01年)から約6万9000人(23年)と1.3倍に増えた。

併せて、年間の人口増減数の推移に関する資料も提示された。松並土地区画整理事業に伴う分譲住宅・マンション供給が要因であるとして、16~21年の年間増加数は伸び、600人台から800人台だった。だが22年は404人、23年は283人と鈍化している。

市内では松並青葉に次ぐ大規模住宅開発は予定されていない。市第3次総合計画の市独自の将来人口推計では30年をピークに減少に転じると試算した。そこで市は、子育て支援や多様な働き方の環境整備など戦略を展開し、60年に6万5千人程度の維持を目標に設定した。

TXの開業から来年で丸20年、飛躍し続けてきた守谷も成熟し、まちづくりの転換点に差しかかろうとしている。



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