子ども歌舞伎 拍手喝采 伝統文化を継承 常陸大宮・大宮北小 茨城
茨城県常陸大宮市塩子地域に伝わる日本最古の組み立て式農村歌舞伎「西塩子の回り舞台」で行われる「子ども歌舞伎」が2日、同市東野の市立大宮北小(沢畠宏子校長)の学校行事「北小祭」で披露された。毎年の恒例行事で15回目。
子ども歌舞伎は保護者や地域の代表らを前に4年生が中心となって役者を演じ、県有形民俗文化財であり同市を象徴する伝統文化を継承している。
演じたのは、定番の「常磐津 子宝三番叟(さんばそう)」と「白浪五人男」の稲瀬川勢揃(ぞろ)いの場面。今年は4年生6人と3年生7人が出演し、常磐津では、四季の遊びの面白さを描いた歌舞伎舞踊を披露した。盗賊団を描いた白浪五人男では、捕手(とりて)を前に自分の来歴を七五調の名ぜりふで語り、拍手喝采を浴びた。
子どもたちは、7月に配役を決め、夏休み中は各家庭で長ぜりふを覚えた。9月からは週2回、栃木県那須烏山市の日本舞踊、埼玉県長瀞町の歌舞伎の役者を同校に招き、指導を受けて猛練習に励んだ。
公演後、佐保姫を演じた4年の安島凜さんは「衣装が重かったけど、とても楽しかった。皆さんに感謝の気持ちが伝えられた」と話した。盗賊の南郷力丸役を演じた同年の高岡唯斗さんは「少し恥ずかしかったけど、目標通り大きな声を出してできた」と喜んだ。
沢畠校長は「子どもたちは自信と誇りを持って取り組んでいる。小さな学校だが、地域のいろんな方々とのつながりや温かい支えを強く感じる」と話した。