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児童、わらぼっち作り 農家協力、3メートル積み上げ 大子・依上小 茨城

わらぼっち作りを体験する大子町立依上小の5年生=同町下金沢
わらぼっち作りを体験する大子町立依上小の5年生=同町下金沢


稲刈り後に、わらを重ねて積み上げ保存する茨城県大子町の風物詩「わらぼっち」作りが、同町下金沢の町立依上(よりかみ)小(石川真裕美校長)の田んぼで行われた。5年生12人が特別授業で取り組み、地域の農家から作り方の指導を受け、今では珍しくなった田園風景をつくりだした。

わらぼっちは稲作の手刈りとおだがけの天日干しが一般的だった頃、脱穀後の稲わらを積み、家畜の餌や茶畑、野菜栽培などに使うために天日で乾燥させたもの。大量のわらの保管は農家の納屋では狭いため、田んぼにいくつも長い木の棒を立て、わら束を高く積み上げて春まで保存する。

全校児童46人で9月下旬に手刈りで収穫したもち米は、天日干しした後、数日前に機械による脱穀が終わった。

わらぼっち作りは10月29日に行われ、子どもたちがわらを一時保管していた体育館脇から学校脇の田んぼまで運び、大森政男さん(75)、本多正美さん(73)の指導の下、丹念に取り組んだ。高さ約5メートルの支柱を立て、5本の足を組んだ後、作り手の本多さんらに次々とわらの束を手渡し、高さ約3メートルまで積み上げた。

はしごに登って、わら積みをした榊原翔空(さかきばらとあ)さん(11)は「初めての体験で楽しかった。わらぼっち作りはずっと続けていってほしい」と話した。石川校長は「子どもたちは、生まれ育った大子の良さを知るいい機会になり、生活の知恵も学べた」と述べ、地域の協力に謝意を示した。

わらぼっちは、約30年ほど前まで同町内で多く見られたが、稲作の機械化や農家の高齢化などとともに数が減り、今では町内で数カ所残るだけになっている。



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