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相手車被害も分析評価 つくばで衝突新試験 ナスバ 茨城

相手車に見立てた台車を使った車の衝突試験。相手車に与えるダメージも分析する=つくば市苅間
相手車に見立てた台車を使った車の衝突試験。相手車に与えるダメージも分析する=つくば市苅間


車の安全性能を評価する独立行政法人「自動車事故対策機構(ナスバ)」(東京)は8日、ぶつかった相手車への被害も考慮した新たな衝突試験を茨城県つくば市苅間の日本自動車研究所で公開した。これまでは固定壁を使って安全性能を測っていたが、相手車に見立てた台車に変更。試験車と台車の双方を走らせ衝突させることで、自車の安全性能だけでなく、相手車に与えるダメージも分析し、評価の算出に加える。ナスバは新試験の導入により、相手車の被害も防ぐ「共存性能」という考え方を広めたいとしている。

ナスバは新車の安全性能を評価する「自動車アセスメント」を毎年実施し、結果を5段階で公表。消費者の車選びやメーカーの性能向上に役立てる。

自動車アセスの評価項目について、ナスバは本年度、車の前方片側だけをぶつける「オフセット前面衝突」で台車を使った新試験を導入。実態に即した衝突事故を再現することで相手車への加害性も調べるのが狙いだ。

試験車には本年度第1弾の評価として「五つ星」を獲得したトヨタのクラウンセダンが使用され、人体の損傷状況を調べるためのダミー人形2体が車内に設置された。台車側は衝突時のデータを収集するため、前部にアルミハニカムの吸収材が据え付けられた。

試験では2台が時速50キロで衝突。試験車のエアバッグが作動し、重量が軽い台車がはじき飛ばされた。

ナスバによると、国内における昨年の交通死亡事故は車の正面衝突等が31.7%で最多。ナスバの中村晃一郎理事長は「自分の車両と相手の車両の双方の安全を守る『共存性能』という考え方を広め、なお一層、安全な車の普及と開発につなげたい」と話している。



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