常陸秋そば発祥の記念碑 常陸太田・赤土町に設置 QRコード使用 情報発信や誘客促進 茨城
茨城県常陸太田市は「常陸秋そば」発祥の地・同市赤土町に「常陸秋そば発祥の地記念碑」を設置し、13日に除幕式を行った。全国で高く評価されているソバの品種の「古里」を示す記念碑設置を地元では歓迎。発祥の地の周知を図るとともに、記念碑に付けたQRコードを使って映像やイベント情報の発信、観光客の周遊ポイントなどとして、さらなる常陸秋そばの魅力向上を目指す。
記念碑はステンレス製で高さ約120センチ、幅約80センチ。ソバの花や常陸秋そばの由来などを記し、駐車場も10台分整備。記念碑の隣には、近くにあった「葉タバコ」の石碑を移設した。金砂郷地区は古くからタバコの産地で、春にはタバコを、8月からは常陸秋そばを作付けしていた。
式には地元の赤土町会や生産者、そば関係団体などから約40人が出席。宮田達夫市長は「品質や価格を維持しながら全国に発信し、常陸秋そばのリブランド化(ブランド再構築)を進めたい」とあいさつした。
ブランドの維持を図るために栽培されている「原原種」と「原種」のうち、原種栽培地が来年から同地区から県南に移る。これを受け、同町で2010年度から原種の確保に取り組んできた住民グループ「常陸秋そばの郷(さと)をまもりたい」の関昌一代表は「発祥の地を知ってもらえるのはうれしい。県南に移るのは残念だが、何らかの形で頑張っていきたい」と話した。
除幕式後は、同市下宮河内町の金砂ふるさと体験交流施設「かなさ笑学校」で、全国高校生そば打ち選手権大会(そば打ち甲子園)に出場した県立太田西山高校の生徒たちがそば打ちを披露し、いばらき蕎麦(そば)の会の全日本素人そば打ち名人らが打った常陸秋そばの試食が行われた。
常陸秋そばは、同地区の在来種から選抜育成された品種で、千粒重(せんりゅうじゅう)がやや重く粒ぞろいや品質も良いことから1985年に県の奨励品種に採用。昼夜の気温差や水はけの良い畑が栽培に適しているとされ、良質なソバを育んできた。全国の有名そば店やそば職人から「品質日本一」「玄そばの最高峰」などと高い評価を受けている。