防げ、闇バイト応募 茨城県警が啓発動画 県教委、SNS使い方指導強化
若年代の人が闇バイトを通じて強盗などの犯罪加害者にならないよう、茨城県警や県教育委員会が啓発活動を強めている。県警は11月、漫画を取り入れた動画を公式ユーチューブで公開するなど、手法に工夫を凝らし啓発を進める。県教委は学校を通し、児童生徒に交流サイト(SNS)の使い方について指導を強化している。県警は「闇バイトは若者の将来を台無しにする。絶対に手を出さないで」と注意を喚起している。
闇バイトを背景とする強盗事件を巡っては、山口県光市で10月、住宅から金品を奪う目的で工具などを持参して強盗の準備をしたとして、強盗予備の疑いで茨城県牛久市の男子高校生や同県龍ケ崎市の男子中学生らが逮捕された。県警幹部は「現状を踏まえると、茨城県での発生も危惧される」と危機感を強めている。
公開された動画は、闇バイトに応募して強盗をさせられそうになる男性を描き出し、犯行実行前に警察に相談するよう強調している。楽して稼ごうと考えた男性がSNSで闇バイトの求人情報を見つけて応募したところ、指示役の男から強盗するよう要求されるストーリーだ。昨年から関東一円で連続発生している強盗事件を受け、県警生活安全総務課の職員が作成した。
動画は4分間。漫画の後は強盗罪の法定刑が5年以上の有期懲役であることを説明したり、初公開となる同課マスコットキャラクター「メタ子」が一般家庭向けに強盗対策を呼びかけたりしている。主な対象は闇バイトに加担しやすいとされる10~30代のデジタルネイティブ世代だ。
動画はXやホームページで発信するほか、闇バイトでは運転免許証を送付するよう誘導されることから県警運転免許センターのデジタルサイネージなどでも放映する。
県教委は闇バイトに応募する中高生をなくすため、県内公立学校や各市町村教委などに対し、SNSの使い方に関する指導徹底を求める通知を10月22日付で出した。通知はSNS上に個人情報を載せないことや、SNSで知り合った人と直接会わないこと、「高額バイト」をうたう募集に安易に申し込まないことなどを指導するよう求めた。学校は県警から提供された啓発資料などを活用し、授業やホームルームの時間を使って教員が児童生徒に注意を促す。
柳橋常喜県教育長は「社会全体として子どもたちがトラブルに巻き込まれないよう、児童生徒に伝えていく必要がある」と述べた。