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視覚障害者 QRで案内 TXつくば駅周辺導入 方向や段数、音声に 茨城

音声案内システム「shikAI(シカイ)」を使い、実演するリンクスの藤山悠史さん=つくば市吾妻
音声案内システム「shikAI(シカイ)」を使い、実演するリンクスの藤山悠史さん=つくば市吾妻
専用アプリを点字ブロックのQRコードにかざす様子=つくば市吾妻
専用アプリを点字ブロックのQRコードにかざす様子=つくば市吾妻


スマートフォンのアプリを使い、視覚障害者の徒歩での移動をサポートする取り組みが、茨城県つくば市吾妻のつくばエクスプレス(TX)つくば駅と、隣接するつくばセンターバスターミナルの周辺で始まった。通路などの点字ブロックに貼られたQRコードを使い、目的地までの道順を音声で案内。視覚障害者が交通機関を乗り換える際の利便性、安全性を高める。鉄道とバスが連携した同様のシステム導入は全国で初めて。

■3者が連携

TXを運行する首都圏新都市鉄道(東京)とバスターミナルを管理するつくば市は、視覚障害者が学ぶ筑波技術大(つくば市、石原保志学長)とそれぞれ連携協定を結んでいる。市内には同大が立地し、同駅は鉄道、バスともに利用者が多い。公共交通の一層の利便性向上に向け、3者が共同して取り組みを進めた。

導入したシステムは、ソフト開発のリンクス(東京)が提供する視覚障害者向けナビゲーションシステム「shikAI(シカイ)」。東京メトロの各駅や、東京都豊島区役所周辺で導入されており、つくば駅での整備は全国で15カ所目。異なる公共交通機関をまたいでの導入は全国初になるという。

■スマホ利用

利用者はまず、点字ブロックに貼られた9センチ四方のQRコードを、スマートフォンの専用アプリで読み込む。さらに行き先の駅ホームやバス乗り場、券売機などを指定すると、アプリが地図データを基に、目的地までのルートを音声で案内してくれる。

QRコードは、曲がり角や階段前にある「警告ブロック」に貼られている。利用者はアプリを起動したまま「右5メートル」「階段を65段下ります」といった音声に従い、次の警告ブロックまで進む。同駅からバスターミナル間に170カ所、計791枚のQRコードが貼られている。

導入に先立つ2023年5~6月、安全性確認のための実証実験が、同大の学生23人の協力の下で行われた。階段でのトラブルや他の利用客との接触などもなく、全員が目的地にたどり着いた。

■気軽に外へ

首都圏新都市鉄道運輸部つくば駅務管理所の船越順也助役は「視覚障害のある方が、つくば駅とバスターミナルの間を不安なく利用できる」と期待した。つくば市総合交通政策課の上田洋輔課長補佐は「TXやバスを利用して、1人で気軽に外出できることを期待する」と話した。

シカイの開発担当者、藤山悠史さんは「別の交通機関に乗り換える場合、介助する係員が案内し切れないことが多い」とし「異なる交通事業者の間をつなぐ場所に導入することで、移動や乗り換えの選択肢の幅を広げられる」と強調した。

現在はアイフォーンのみ、サービスを提供している。視覚障害者に限らず、道に迷った時など誰でも利用できるという。



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