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《リポート2024》23年茨城県内観光客 ひたちなか1位 市、新規催し成長に手応え

各店こだわりのコーヒーが楽しめる、ひたちなかコーヒーフェスティバル=ひたちなか市長堀町
各店こだわりのコーヒーが楽しめる、ひたちなかコーヒーフェスティバル=ひたちなか市長堀町


茨城県が公表した2023年の県内観光入り込み客数で、ひたちなか市が1994年の市誕生以来、市町村別で初の1位になった。市は新型コロナ禍収束による観光需要回復に加え、新たな客層の取り込みなどを狙い、コロナ禍で始まったイベントの成長も後押ししたと指摘。担当者は「多彩な企画を通して多くの人に市を好きになってほしい」として、さらなる観光客数増を目指す。

入り込み客数は、県内の観光地186地点とイベント245地点を対象に調査した観光客の総数。市の対象は観光地6地点、イベント13地点で430万人だった。

市観光振興課によると、2019年は436万人で2位だったが、コロナ禍の影響で20年は198万人と半分以下に落ち込み、順位も5位に下がった。

その後は回復し、21年は3位、22年に2位に浮上。23年は19年と同水準に戻り、2位の大洗町を3万人上回った。

1位の要因について、同課は国営ひたち海浜公園など観光地の客足が戻り、既存の祭りや催しが再開したことと、「コロナ禍で生まれた企画やイベントの成長も大きい」と強調する。

▽ゆったり過ごす

その一つが22年に始まった市観光協会主催の「ひたちなかコーヒーフェスティバル」。全国の有名コーヒー店が集い、飲み比べしながらゆったりした時間を過ごせるのが人気だ。

今月9、10両日、会場の親水性中央公園(同市長堀町)には首都圏や熊本県、香川県など全国36のコーヒー店を含め、コーヒーに合う菓子、食事など計約120のブースが並んだ。

近年のコーヒーブームもあり、会場には若者から家族連れ、高齢者まで幅広い客層が訪れ、コーヒー店員から豆の種類や、いり方などを聞き、各店こだわりの味を楽しんだ。

昨年も参加した東京都国分寺市、会社員、福嶋敬さん(51)は「都心で味わえない各地のコーヒーを飲めるのが魅力。宿泊して2日目はひたちなかの観光地も回りたい」と話した。

来場者は22年が8千人、23年が1万2千人。過去2年とも1日の開催だったが、今年は宿泊し、市内を回遊してもらう狙いで2日間の日程を組んだ。

同課担当者は「昨年を大きく上回る人出になった」と、同フェスの可能性と成長に手応えを感じている。

▽好循環つくる

市や同協会などは、コロナ禍で既存の催しが中止となる中、新たなイベントを相次いで企画。ペットの愛犬と楽しいひとときを楽しめるイベントを昨年始め、今年も10月に開催して盛り上がった。地元企業とタイアップして多彩なものづくり体験や地元特産品が購入できるイベントも企画し、さまざまな観光客層の取り込みに力を入れる。

また、22年から国営ひたち海浜公園で始まった野外音楽イベント「ラッキーフェス」の来場者も毎年増えている。

同課は「多彩な観光客層に楽しんでもらえる企画を実現しながら市のファンを増やし、何度も市に来てもらえる好循環をつくりたい」と強調した。



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