茨城県植物園再開 25年11月 設計変更や工期延長で
茨城県は20日、リニューアル工事を行っている同県那珂市戸の県植物園と県民の森について、開園を当初予定の来年4月から11月に延期すると発表した。資材高騰などによる設計の変更や、入り口付近に建設される「温浴施設」の施工期間の延長が要因。
県は「日本初の泊まれる体験型植物園」を掲げ、刷新を計画。事業推進のため8社でつくる特別目的会社「ボタラシアンリゾート」に設計や工事などを委託する。事業費は、県と国の交付金を含め約30億円。当初の予定では今夏の着工予定だった。
しかし建築資材価格や設備工事費高騰の影響で、事業費が当初予定より1割増え約33億円と予算を3億円超えることが9月に判明。予算内に収めるため、宿泊施設のコテージや温浴施設の設備価格を見直すなど調整を進めてきた。今月、設計の見直しは済んだが、今後の工期を考え、県は来春の開園は困難と判断した。
リニューアル後は、園内に宿泊施設をはじめレストランやバーベキュー場などの施設ができる。県民の森には、木々を利用したアクティビティーが設置される。温浴施設以外は来夏の完成予定。県林政課は「設備のグレードは一部変わるが、内容は変わらない」とした上で「開園時期は延長したものの、しっかりと取り組みたい」と説明した。
同園は今年7月1日から、工事のため休園し、現在は解体工事が進められている。県民の森は利用できる。