「常陸乃国まさば」命名 茨城県内養殖魚 ブランド化
茨城県は26日、那珂湊漁港(同県ひたちなか市)の海面いけすで実証事業として養殖しているマサバを「常陸乃国まさば」と命名したと発表した。県立海洋高や企業などと連携し、ブランド化を目指す。県内での養殖が条件。12月20日から来年1月にかけて複数回にわたり流通試験を行い、注文を受けて飲食店に計3千匹を提供する。
養殖マサバの流通試験は昨年度に続き2度目。同校がいけすを管理し、情報通信技術(ICT)を活用して養殖。寄生虫アニサキスの心配がなく、これまで延べ21回のサンプル検査で確認されていない。
常陸乃国まさばのコンセプトは「生食を推奨できるマサバ」とし、ブランド基準は①茨城県で養殖②人工の種苗③人工の餌を使用-とする。県のブランド「常陸乃国シリーズ」の一環で、「いせ海老」「しらす」に続いて水産物では三つ目。
同校の生徒や企業、漁協など関係者16人がこの日、大井川和彦知事を表敬訪問し、ブランド名や流通試験の実施を報告。食べやすさなどをアピールした。
県とともに出荷を担当するのは冷蔵冷凍流通大手、横浜冷凍(東京)。県養殖共同開発担当の松井美枝子さん(55)は「大事に育ててきた。名物としてしっかり売り込みたい」と意気込んだ。同校「水産クラブ」の生徒は平均約300グラムのマサバを贈呈した。大井川知事は「より多くの人に味わってほしい。引き続きご協力をお願いしたい」と述べた。
常陸乃国まさばは、ひたちなか市や同県水戸市を含む「いばらきの地魚取扱店」などから注文を受けて出荷し、複数回の流通試験を行う。同校2年、水産クラブ部長、宮田海斗さん(16)は「今年はマサバのサイズが格段に上がった。名産品になるのでは」と期待した。