ひたちBRT レベル4認可 自動運転、全国最長 年度内運行へ 茨城・日立
国土交通省関東運輸局は26日、茨城県日立市のバス高速輸送システム「ひたちBRT」に対し、運転手を必要としない自動運転「レベル4」に認可した。対象区間は日立市内の専用道6.1キロで全国最長。運行主体は茨城交通で、同県つくば市内の企業が自動運転システムを開発した。同社によると、小型のバスでレベル4の認可はあるが、中型バスは全国で初めて。本年度中の営業運行開始を目指す。
バスはセンサーなどで自己位置を認識しながら、周囲の車両や歩行者などを検知し、あらかじめ決められたルートを走行する。レベル4は運転手が不要となる。
ひたちBRTは現在、道の駅日立おさかなセンター-JR常陸多賀駅の8.6キロ区間を運行している。レベル4に認可されたのは、南部図書館-河原子間の専用道6.1キロ区間。これまで認可された全国の車両の中で、現時点では最長という。
システム開発した東大発ベンチャー企業「先進モビリティ」(つくば市)が認可を申請し、関東運輸局が道路運送車両法に基づき、保安基準の適合性を確認。最高速度40キロ以下、天候不良や路面凍結の状況下で自動運転を行わないことなどを条件とした。
同社は2021年度から、ひたちBRTでのレベル4のサービス実現に向けた取り組みを推進。経済産業省と国交省の共同事業のプロジェクトに参加し、茨城交通を傘下とするみちのりホールディングス(東京)や研究機関などと一体となり、実証や開発を進めてきた。
レベル4での営業運行について、先進モビリティの担当者は「本年度中の開始を目指す。(他の)参加機関とともに準備を進めていく」としている。
ひたちBRTは05年に廃線になった日立電鉄線跡地を専用道として活用。公設民営方式の新たな公共交通として市が整備し、13年から運行を始めた。
専用道の利点を生かし、国や交通事業者などは、BRT運行ルートで「レベル2」の自動運転の実証実験を行ってきた。市内では運転手不足が加速し、路線バスが減便を余儀なくされており、自動運転の実用化への期待は大きい。