北茨城市、バルビゾン市と友好都市協定 芸術文化で交流
美術思想家の岡倉天心(1863~1913年)が茨城県北茨城市の五浦を拠点に活動した史実に関連し、同市は、フランスのバルビゾン市と友好都市協定を締結した。同市が3日、明らかにした。天心が五浦の地を「東洋のバルビゾン」となぞらえたことから接点を持ち、これまで中学生らの派遣事業を実施。協定を機に両市でさらなる親交を深め、芸術文化面での交流を図っていく。
バルビゾン市はパリの南約50キロに位置し、人口は約1500人。19世紀にミレーに代表される風景画家たちが集まり活動したことから、「バルビゾン派」と称された。天心は、自身が弟子らを五浦に呼び寄せ芸術活動に励んだことを重ねたと考えられている。
市によると、現地時間の9月23日、豊田稔市長がバルビゾン市を訪問し、ジュラール・タポナ市長と協定を結んだ。北茨城市ではもともと、グローバル人材育成事業として2017年から市内の中学生を中心とした派遣団がバルビゾン市を訪問し、交流してきた。コロナ禍を経て、今年10月にも5年ぶり3回目の派遣をしている。
協定内容は、文化機関などの交流および協力▽芸術・文化活動などに従事する市民の交流の奨励▽文化財の紹介および展示などの促進▽両市が実施する事業への参画-の4項目。今後、具体的な取り組みを決めていくという。
豊田市長は茨城新聞の取材に対し「協定を結べたことはうれしい。文化に特化して互いの良いところを見つめ合いたい。青少年に国際人になってほしい思いがあり、大きく夢に近づく一助になれば」と期待を語った。