ゲームセンター時間緩和を 16歳未満、保護者同伴時 18時制限は茨城など4県 業界団体が要望
アミューズメント産業の業界団体が、「茨城県風営法施行条例」で16歳未満の入場を午後6時までに制限しているゲームセンターについて、保護者同伴時の時間制限緩和を求めている。2015年に風営法が改正されて都道府県に対応が委任された際、県警が保護者や教職員へのアンケート結果を基に入場規制を継続した経緯があるが、団体は教育機関や保護者らへの理解を進め、規制緩和の道を探っている。
■アンケート
県警生活安全総務課によると、15年6月に風営法が改正され、都道府県の判断で保護者同伴の有無による規制時間を設定できるとした。その後、県警は県内のゲームセンター周辺にある小中学校の保護者や教職員約2000人を対象にアンケートを実施。この結果、7割が「従来通り」「より厳しく」という意見で、規制緩和に反対した。このため県警は従来通り、同伴の有無にかかわらず16歳未満の入場を午後6時までとし、現在まで維持されている。
日本アミューズメント産業協会によると、各都道府県の入場規制は午後8時や同10時までに緩和されているのが主流。改正されずに同6時までなのは、茨城県と栃木、岩手、鳥取の4県。特に年末年始や夏休みの時期には、利用客から不満の声が上がっているという。
■明るく安心
茨城県水戸市宮町1丁目の「GiGO水戸」ではビル内の映画館で映画鑑賞したり、ホテルに宿泊したりする家族連れが、午後6時以降に立ち入ろうとするケースが多いという。中道昭夫店長は「規制を知らない人が多く、県外の人には驚かれる」と語る。規制が午後8~10時の愛知や埼玉で勤務していた際もトラブルなどはなかったといい、「ゲームセンターは昔のイメージと違い、明るくて安心に遊べる。保護者同伴でデメリットはない」と強調した。
協会は理解促進のため、来年4月ごろに県警や自治体、教育機関、PTAなどと意見交換する地域懇談会の開催を計画している。茨城県での開催はコロナ禍前の20年が最後で、ゲームセンターへの要望を聴きながら、健全化が進んでいる現状を説明したい考えだ。前回の懇談会では、県警から「19年のゲームセンター関連の問題はなかった」、県学校長会からは「家出する生徒の立ち寄り先になっていて、店員の対応により行方不明となる前に解決できている」との意見が出たという。協会は将来的に要望書を県警に出す方針。
■県内48店舗
同課によると、9月末現在で茨城県内のゲームセンターは48店舗。大規模小売店舗のゲームコーナーなどは、ゲームに利用する面積が客室床面積の10%以内であれば風俗営業の許可を要しない「10%ルール」に該当していても、入場時間規制の対象に含まれる。
同協会の柴田健専務理事は「県民の方に現状を理解してもらい、県条例を変えてもらえるよう努力したい」と話している。