日立市PRキャラ誕生 「ひたりん」や「ウミウさん」 職員考案 まちの魅力発信 茨城
茨城県日立市は、新たに市公式PRキャラクターを制作した。市名の由来となっている日の出の「ひたりん」など、市の文化や歴史、特産品をモチーフにした総勢13体のゆるキャラを市職員が考案した。海が身近にある「シーサイドライフ」やまちの魅力を発信するため早速、動画やグッズを制作して活躍の場を広げている。
キャラクター制作は市の広報戦略「日立市ってホントはすごいんです!プロジェクト」の一環。幅広い世代に親しんでもらおうと、海のある暮らしの魅力を発信する手段として、アニメを選択した。同市初の公式キャラとして全庁的に活用する。
13体のキャラで中心となる「ひたりん」は、日立地方を訪れた水戸藩2代藩主の徳川光圀が「日の立ち昇るところ領内一」とたたえた日の出の妖精という設定。市の鳥は「ウミウさん」として、鵜(う)飼い文化を支える全国でただ一つの捕獲・供給地をPRする。
このほか、市の魚のサクラダコは「タコボー」、同市茂宮地区特産のカボチャは「もみやん」として登場。市内の遺跡で出土した弥生時代の十王式土器や中里地区のリンゴのキャラもあり、1975年度から市が毎年新入学生に贈呈するランドセルは「ランドるん」として描いた。
キャラの生みの親は、市でシティプロモーションを担当する広報戦略課職員の田村佳南子さん(36)。学生時代から絵を描くのが得意だったといい、「一目で分かりやすく、丸っこいデザインのかわいらしい雰囲気に仕上げた」。
これまでの業務でもチラシ作成時などにイラストを描く機会は多く、同市の実話に基づく映画「ある町の高い煙突」(2019年)の公開当時に描いた「だいえんとつくん」と「さくらちゃん」も今回の公式キャラに仲間入りした。
まちの魅力を知ってもらうため、各キャラの背景も詳細に設定し、ホームページなどで公開。田村さんは「市民に親しまれる存在になり、市外の方には日立に興味を抱いたり足を運んだりするきっかけになればうれしい」と話す。
市は東京圏からの移住促進策として、各キャラが出演するPR動画「ウミウさんの日常編」「ひたりんの休日編」の2本を制作し、12月2日に公開。首都圏JRの電車内サイネージでも放映する。海と山に囲まれた景色の中で主人公たちが思い思いに過ごすシーンが描かれている。
PRグッズとして各キャラをあしらった缶バッジも作成し、11月の「ひたちシーサイドマラソン」では約1000個を配り切るなど好評を得た。市報や市役所の窓口封筒にも活用し、今後はシールなども作成する予定だ。