Jリーグアウォーズ J1鹿島からベストイレブンに濃野、知念が初選出
Jリーグは10日、神奈川県の横浜アリーナで年間表彰式「Jリーグ・アウォーズ」を開催し、J1鹿島からはルーキーながら9得点を挙げたDF濃野公人(22)と今季ボランチとして才能を開花させたMF知念慶(29)の2人がベストイレブンにそれぞれ初選出された。鹿島からベストイレブンに2人選出されたのは2017年以来7年ぶり。
Jリーグの歴史の中で、史上5人目の快挙だ。ルーキーイヤーで栄えあるベストイレブンに輝いた濃野公人は、「小さい頃から憧れてた場で素晴らしい賞をいただけて、本当にうれしい」と受賞をかみしめた。
右サイドバック(SB)の開幕スタメンをつかむと、一気にスターロードを駆け上がった。果敢な攻撃参加とSBとは思えない決定力の高さを武器に、今季は9得点を奪取。チームの得点源として強烈なインパクトを残した。「ゴールを決めた時のスタジアムの歓声や、チームメートが駆け寄ってくる瞬間は今までに感じたことないくらい素晴らしかった。全てのゴールが印象深い」
表彰式では、鹿島の強化責任者の中田浩二フットボールダイレクターから緊張した面持ちでトロフィーを受け取り、その後のインタビューでは「受賞は全く想像できていなかった。自分の周りの方々に感謝したい」と謝意を示した若きゴールゲッター。来季に向け、「自分がよりチームを引っ張って、タイトル奪還に貢献したい」とさらなる躍進を誓った。
今季本職のFWからボランチにコンバートされ、抜群の守備力でチームを支えた知念慶。新境地を開拓してのベストイレブン初受賞に、「全く想像できない、世界が変わったような1年間を過ごさせてもらった」と率直な思いを語った。
シーズン前のチーム内の序列はFWの控えだった。宮崎キャンプで主将柴崎のけがをきっかけにボランチへコンバートすると、一気に頭角を現して定位置を奪取。脅威の対人能力の高さと守備範囲の広さで、リーグを代表するボランチへと成長を遂げた。データでも圧倒的な数字を残した。1対1の競り合いを意味するデュエルの勝利総数は138に上り、2位に20の差をつけて1位に輝いた。
個人タイトルに選出されるのは初めてで、表彰式は「緊張した」という。だが、元日本代表の稲本潤一さんからトロフィーを受け取った瞬間は、「率直にうれしかった」と笑顔を見せた。
リーグ屈指のボールハンターに慢心はない。「自分自身まだまだだと思っている。来季はもっと貢献して、よりチームを勝たせられる存在になりたい」と意気込みを示した。
このほか、鹿島からはDF安西幸輝(29)がフェアプレー個人賞に選ばれた。
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