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茨城県文化財、新たに1件 十五郎穴横穴群出土品

第35号墓で出土した大刀や刀子(ひたちなか市教育委員会提供)
第35号墓で出土した大刀や刀子(ひたちなか市教育委員会提供)


茨城県教育委員会は26日、県文化財保護審議会の答申に基づき、同県ひたちなか市中根の「十五郎穴横穴群出土品」を県指定文化財として新たに加えると発表した。県指定文化財は計697件となった。

十五郎穴横穴群は古墳時代終末期から平安時代初頭にかけて造られたとみられる東日本最大規模の集団埋葬墓で、国指定史跡。那珂川の支流である大川と本郷川に挟まれた舌状台地に位置する横穴墓群で、「館出支群」など3支群に分けられている。

指定されたのは館出支群に属する2基の横穴からの出土品。2基のうち、館出Ⅰ区第32号墓から出土した方頭大刀は反りのない直刀で、付属の刀装具は正倉院宝物の「黒作大刀」に類似し、全国的にも貴重な資料という。同35号墓からは大刀1点や刀子5点、土器58点など多様な遺物が見つかった。ほかに金銅製金具付刀子、蝦夷征討と関連が深いと考えられている蕨手刀(わらびてとう)が出土した。

県教委文化課の担当者は「当時の常陸国が蝦夷征討の拠点になっていた可能性が考えられる。常陸国の地理的・物理的役割を解明する上で貴重な資料」と分析している。



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