済生会波崎診療所 現在地の診療終了へ 年度末で 4月以降の対応調整 茨城・神栖
茨城県神栖市波崎の済生会波崎診療所が施設の老朽化のため、3月末で現在地での診療を終了する。4月以降の対応については未定で、市との調整を急いでいる。
市によると、同診療所は1953年に開設され、61年には波崎済生会病院となった。施設は64年に鉄筋コンクリート造りの4階建て、80年に同7階建てが建設された。2005年の神栖済生会病院(同市知手中央)の開院に伴い、いったんは閉鎖方針が示されたが、地元住民からの要望などがあり、規模を縮小して、1964年に建設された平屋部分を使って診療を続けてきた。
神栖済生会病院によると、同診療所は建物の老朽化が著しく進んでおり、これ以上診療を続けることは困難な状況だという。そこで2024年内に閉院し、約7.5キロ先の済生会土合クリニックと統合する方針をいったん決めた。
だが、閉院方針の報告を受けた市は、患者の多くは高齢者で、中には移動が困難な患者もいるため、「住民の意向を十分聞いて対処してほしい」と継続を要望。その後、済生会県支部から慎重に対応する方針が伝えられ、3月末まで診療を続けることとなった。
4月以降の対応に関しては、市から近隣の公共施設を代用するような案も示しているという。同病院は「患者の意向に報えるよう、最大の努力をしていく。具体的な対応策は、もう少し時間を頂きたい」としている。