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2025年茨城県内選挙展望 (下)11首長選 動き加速

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2025年の茨城県内首長選は任期満了が26年1月17日の龍ケ崎市を含め、11市町村で実施される見通し。現職を中心に選挙戦に向けた動きが加速している。

■常陸太田市 20年ぶりの選挙戦か

常陸太田市長選(任期満了5月21日)で現職の宮田達夫氏(71)は今のところ、進退を明らかにしていない。無所属新人で元市議の石川剛氏(46)が昨夏、立候補を表明。ほかに複数の名前が挙がっており、2005年以来20年ぶりの選挙戦となる可能性が出てきた。

現在1期目の宮田氏は、東部土地区画整理事業や市道139号線整備、新総合体育館建設に取り組んできた。カーボンニュートラル対応や避難行動要支援者の避難訓練、フレイル対策の強化などを推進する。

石川氏は昨年8月31日付で市議を辞職。将来を見据えた民間の知見や発想を取り入れる自治体経営を主張し、「日本一の福祉のまち『常陸太田市モデル』をつくりたい」と意欲を示している。

■行方市 鈴木氏、4選出馬濃厚

行方市長選(任期満了10月1日)は今のところ立候補の表明はないが、3期目の現職、鈴木周也氏(53)の出馬が有力視されている。

鈴木氏は2011年に市議となり、任期途中の13年に市長選に立候補。現職との一騎打ちを制して初当選した。17年、21年の市長選では新人候補を大差で退けた。シティープロモーションによる地域の活性化に取り組み、「なめがたエリアテレビ」を活用した情報発信や農産物の「なめがたブランド」構築など、県内外でのトップセールスに注力してきた。

■筑西市 小島氏、稲川氏出馬表明

筑西市長選(4月13日告示、20日投開票)は、3期目の須藤茂氏(73)が昨年末に不出馬を正式に表明。前市議の小島信一氏(68)と市議の稲川新二氏(57)が立候補を表明しており、2005年の新市発足に伴う市長選以来、新人同士での選挙戦となる見通しだ。

小島氏は市議4期目の途中で出馬を表明した。市の人口減少対策や公共投資などを見直す考えを示し、「政治の刷新を図る」と訴える。稲川氏も市議4期目途中で表明。須藤市長の市政運営を「基本的には継承」とし、住民サービスを維持する効率的な財政運営を掲げる。

須藤氏は、今後の重点施策に道の駅グランテラス筑西の拡張整備などを挙げる。

■鉾田市 岸田氏、3選出馬有力

鉾田市長選(任期満了11月12日)は、2期目の現職、岸田一夫氏(69)が3選を目指して立候補することが有力視されている。現在、ほかに目立った動きは見られない。

岸田氏は、鉾田消防署長などを経て2015年に市議となった。任期途中の17年に市長選に立候補し、新人4人による激戦を制して初当選。21年の市長選では新人2人を退け、2回目の当選を果たした。

これまで子育て支援や教育環境の充実、道路整備などに注力。大洗町との新ごみ処理施設整備も推進した。新庁舎・公共施設等整備や、鹿島灘海浜公園の再整備(観光拠点化)は今後の進展が注目される。人口減少対策、地域経済の活性化などが争点になりそうだ。

■神栖市 現職石田氏 3期目狙う

神栖市長選(任期満了12月5日)は、現職の石田進氏(66)が3選を目指し立候補することが有力視されている。現時点では同氏を含めて表立った動きは見られず、今後の動向が注目される。

石田氏は市議や県議を経て、新人3人の争いとなった2017年の市長選で初当選。前回の21年も新人との一騎打ちを制し、再選を果たした。

2期目は医療体制の充実を重点施策に掲げたほか、災害対策として市中心部に雨水幹線を整備。まちのにぎわいづくりも推進している。昨年12月の市政報告会では支援者に向けて「皆さんにしっかりと結果で応えたい」と声を張り上げ、市の将来に向けて尽力する姿勢を示した。

■坂東市 木村氏3選出馬を表明

坂東市長選(3月16日告示、同23日投開票)は、現職の木村敏文氏(69)が3回目の当選を目指して出馬表明している。今のところ、ほかに立候補に向けた動きは見られない。

木村氏は昨年12月に開いた出馬表明会見で、市の借金を5年間で約65億円削減してきたことや小中学校の全教室へのエアコン設置など、8年間の実績を強調。その上で、現在進めている圏央道周辺整備や県施行の工業団地事業などを挙げ、「各案件が軌道に乗るまでは、私の責任において手がけていきたい」と話した。

旧猿島町議、坂東市議を経て、2017年の市長選に立候補し、現職を退け初当選。前回21年の選挙は新人を大差で破り、2回目の当選を果たした。

■桜川市 現職大塚氏の動向注目

桜川市長選(任期満了10月29日)は、現在3期目の現職、大塚秀喜氏(63)を含め、今のところ立候補の表明はない。大塚氏の今後の動向が注目される。

大塚氏は取材に態度を明らかにせず、「やり残したことを今期中、一生懸命取り組んでいきたい」と述べるにとどめた。今期中の目標として、民間事業者が進めるショッピングセンター開発事業の具現化や、旧岩瀬・大和両地区の学校再編の推進などを挙げている。

大塚氏は旧真壁町議、桜川市議などを経て2013年に初当選した。さくらがわ地域医療センターの開院や、図書館、市役所支所、公民館の機能を持つ複合施設「さくらす」の建設などを進めてきた。

■龍ケ崎市 現職萩原氏の出馬有力

龍ケ崎市長選(任期満了2026年1月17日)は12月実施の公算が大きい。再選を目指す現職、萩原勇(49)氏の立候補が有力視される。現時点でほかに立候補へ向けた動きは表面化していない。

萩原氏は、同市議を経て09年に県議補選に初当選。4期目途中の21年、市長選に立候補し、4選を目指した現職や新人との三つどもえを制して初当選した。

前市長時代の同年春に発覚した官製談合防止法違反事件を踏まえ「透明な市政改革」を掲げ、市民らの元に出向いて対話する「地域の市長室」を開始。重点施策の子育て環境の充実やスポーツを通じたにぎわい創出などを推進する。

■河内町 野沢氏再選出馬を表明

河内町長選(5月13日告示、同18日投開票)は、現職の野沢良治氏(65)が昨年12月、再選を目指して無所属で立候補すると表明した。現時点では、ほかに出馬の動きは見られない。

野沢氏は2004年町議選に初当選し、当選5回。前町長の引退を受けて21年町長選に出馬し、新人同士の一騎打ちを制して初当選した。町政運営では、認定こども園の建設や複合施設として活用する中央公民館の建て替えなど、公共施設の整備を推進。0~2歳の保育料無償化といった子育て支援にも取り組んだ。

■利根町 現職佐々木氏出馬有力

利根町長選(任期満了7月23日)は、当選2回の現職、佐々木喜章氏(69)が3選を目指して立候補することが有力視される。取材に「任期まで公務をしっかりやりたい」と述べ、態度を明らかにしていない。ほかに町議が立候補に向けて準備を進めている。

佐々木氏は町議を経て、2017年の町長選で現職、元職との三つどもえを制して初当選。21年は前職と新人の計3人を破って再選した。

2期目は、小学校の統合で生じた廃校跡地の利活用として、健康増進施設や総合教育センターの設立を進めたほか、小中学校の給食費を無償化。地域活性化や子育て支援などにも取り組んだ。

■東海村 山田氏4選出馬か 東海第2 再稼働争点

東海村長選(任期満了9月20日)は、現職の山田修氏(63)が4回目の当選を目指して出馬することが有力視される。取材には「全く白紙の状態」と述べ、態度を明らかにしていない。ほかに現在のところ、立候補に向けた動きは出ていない。

山田氏は1986年4月に県庁入庁。2010年4月から13年7月まで副村長を務め、同年9月の村長選で初当選した。

選挙では立地する東海第2原発の再稼働問題が大きな争点となる。東海第2は18年に再稼働に必要な国の審査に「合格」し、23年に村は広域避難計画を策定した。一方で、住民の意向把握の方法や時期は決まっていないことなどから、山田氏は「再稼働の判断時期は未定」としている。



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