《茨城っ子 バンザイ!》サーフィン全国大会出場 富樫市之助さん(12) 北茨城市
■プロになって世界へ
地元サーファーらが波を楽しむ茨城県北茨城市中郷町の海岸。小麦色に日焼けした市立中郷一小6年、富樫市之助さん(12)の練習場所の一つだ。約1年前から本格的にサーフィンに打ち込み、「いい波に乗れると楽しい」と笑顔を見せる。昨年9月には宮崎県で開かれた「第58回全日本サーフィン選手権大会」でショートボード男子のキッズ部門に出場した。
サーフィンが趣味の父、一記さん(40)に連れられ、小学3年の時に初挑戦。その後は主にサッカーに取り組んでいたが、波に乗る楽しさを感じるようになり、2023年秋からサーフィン一本に注力。現在は同県日立市内の「水木サーフ」に所属する。
5~10月には登校前にも中郷町の海岸で練習してきた。休日には家族で県内外の大会に出向くこともある。練習では波乗りの様子を動画で撮り、それを見て動きを修正していく。現在は波の頂点まで上りサーフボードを切り返す「オフザリップ」に磨きをかける。ほかのサーファーから「声をかけられるとうれしい」と市之助さん。
全日本選手権には日本サーフィン連盟茨城北支部の代表として出場した。試合時間内に波に乗り、高得点2本の合計点で勝敗が決まる。全国の強豪と競い、結果は予選通過後のラウンド1敗退で「良いライディングができなかった」と悔しがる。母の亜沙美さん(40)は「荒波でコンディションが厳しい中、決まった技もあった」とねぎらう。
今後も練習や大会出場に励み、さらに技を高めたい考え。市之助さんは「プロになって、プロ大会で優勝し、世界の大会に出る」と向上心をみなぎらせる。一記さんは「サーフィンは自由。いろんな場所に行って、いろんな景色を見てほしい」と目を細めた。
◇茨城県内の子どもたちが日々躍動する。地域の大人たちに見守られながら、好奇心の向くまま、勉強に、スポーツに、趣味に、ボランティアに熱中。そんな元気で愉快な「茨城っ子」たちが新たな年、さらに羽ばたく。