《茨城っ子 バンザイ!》剣道女子団体日本一 青葉中剣道部 茨城町
■信頼を武器に金字塔
夕日が差し込む道場に「メン」と威勢のいいかけ声が響く。降り下ろした竹刀が、張り詰めた空気を切り裂いた。キリッとした表情で構えた剣先を見詰める。
昨年8月の全国中学校剣道大会女子団体で、念願の優勝を果たした茨城県茨城町立青葉中剣道部。県勢女子初となる全中制覇の快挙は、茨城県剣道界の歴史としてさんぜんと輝く。
23年大会は惜しくも3位だった。3年の時田迦弥さん(15)は「最後の大会。次は後悔がないように、全部勝つぐらいの気持ちで頑張った。たくさん合宿をして心が強くなった」と悔しさを乗り越えるため重ねた稽古を振り返った。3年の副主将、宇佐美華凜さん(15)は「練習試合で仲間の悪いところがあれば指摘した。自分の練習のテーマは『きつい時も手を抜かない』。返し胴を磨いた」と互いに高め合い、個人の課題にも真剣に向き合った。
3年の雨谷星七さん(15)は「調子が上がらない時、背中を押してくれて支え合えるのが団体戦。青葉中の特徴は笑顔が絶えないところ。普段から仲が良い」とチームの特徴に触れる。中心となる3年生4人が幼稚園の時から町の道場で剣道を一緒にやっている。1、2年生も同じ道場。約10年一緒にいて、気心が知れ何でも言い合える仲良し。下級生からは「頼りになる」「剣道のお手本」とされる3年生。名前で呼び捨てにされても気にすることはない。
家族のような一体感、信頼関係を武器に頂点をつかんだ。3年で主将の橋本華さん(15)は「女子だけでなく、男子も先生も、保護者も最後まで戦い抜いた。剣道部はかけがえのない存在。先生やチームメートを信じて戦えた」と金字塔を打ち立てた背景を明かした。