《茨城っ子バンザイ》ザリガニ博士 小山侑己さん(15) つくば市
■脱皮や再生 徹底研究
茨城県つくば市立竹園東中3年の小山侑己さん(15)は小学1年からアメリカザリガニの脱皮を研究してきた。全国の科学コンクールにも入選。友達からは「ザリガニ博士」と呼ばれている。
幼稚園の遠足で釣ったザリガニを自宅に持ち帰ったのが全ての始まり。「何か調べてみよう」と思い、小学1年で脱皮後の抜け殻で標本を作った。2年の時には甲殻類が満月の前後に多く脱皮するのを知り、20匹ほどを毎日観察。月齢ごとの脱皮の回数を調べた。
3年から6年にかけて、月の明るさに似た照明を使った実験に取り組んだ。箱の中のザリガニを用い、新月や上弦の月などのさまざまなタイミングで光を照射。条件は毎年変え、光が脱皮に影響することを自分なりに確かめた。
中学生になると脱皮のメカニズムを探ろうと、解剖に着手。殻の下の薄い膜が殻へと成長する過程を顕微鏡で調べ、殻を作る源である胃石が脱皮後に小さくなることも確認した。
さらに、ザリガニのハサミを異なる位置で切断し、脱皮にかかる日数、ハサミの再生までにかかる日数も調査。統計学を取り入れ、データを分析するまで研究レベルを上げた。
「ザリガニの手や足、触覚と、その再生能力には驚かされた。人間にはない力で本当に不思議」と話す。
研究成果は小学1年の時から毎年発表し、県の科学研究作品展で8年連続入選。中学2の時には全国コンクール「日本学生科学賞」で入選を果たした。
「小2から毎日ずっと観察し、自分でもよく記録をつけてきたと思う。家族の協力があったから続けられた」と感謝。高校受験を間近に控え、ザリガニの研究はいったんストップするというが、将来は研究者の道へ進もうと考えている。